New business Column
新規事業コラム
2022.06.10
事業立ち上げ&推進

新規事業のサービス名はどう決める?ネーミングのポイント〈前編〉



新商品や新サービス、ブランド名、アプリ名などのネーミングに悩まれる中の方も多いと思います。
新しく商品の名前をつけるのであれば、よりよい商品の情報や企業のコンセプトが伝わり、印象に残る語感のものがいいですよね。

本コラムではブランド名や商品名のネーミングについて、以下のポイントを解説し、業界新規参入や新規事業の開発に支援を与えます。

1.他に使われていない(HPドメインが被らない、検索で怪しい店舗はないか)

現代、多くの人が商品購入検討の際に、情報収集でネット検索を行います。そのために商品サイトなどを作るわけですが、既に自分の商品の候補名と同じ商品がある、サイトのドメインに使われている、なんだか怪しいお店が出てきたなど、気をつけなければならないポイントがあります。

特に、同じ名前や類似した名前の商品が市場に既に存在する場合、顧客は混乱し、競合商品と誤認されるリスクがあります。これにより、自社のブランドイメージが損なわれる可能性があるため、ブランド名や商品名を決める際には、競合他社のリサーチが不可欠です。また、検索エンジンでの上位表示を狙うためには、ユニークで独自性のある名前が重要です。

さらに、ドメイン名が既に他のサイトで使用されている場合、SEO効果が低下し、顧客が自社サイトにアクセスしにくくなる可能性があります。そのため、ドメイン名の空き状況も確認することが重要です。もし希望するドメイン名が既に使用されている場合は、代替案を考える必要があります。

利用者が勘違いをしてしまうような要素は排除し、信頼性のある名前を選びましょう。また、ブランド名が他の言語で不適切な意味を持つ場合も考慮し、国際的な展開を視野に入れる企業は特に注意が必要です。

2.読みやすい(例えば造語でも読みやすいか)

商品名やブランド名に、造語や当て字が使われることはよくあります。それ自体は、言葉の表現は独自性があったり、商品のイメージが湧きやすかったりして良いことですが、よくあるのが、読みにくい言葉を込めて、肝心の商品のことが伝わらない!というパターンです。読み間違えやすかったり、意味が分からない造語はマイナスの効果になってしまうので避けましょう。

このような時に、商品のことを知らない第三者に言って、どんなイメージが湧くか聞いてみることも一つの方法です。さらに、ターゲット顧客層に対して調査を行い、フィードバックを得ることも効果的です。消費者がどのようにその名前を受け取るかを理解することで、ネーミングの精度を高めることができます。

また、読みやすさとともに、発音のしやすさも重要です。特にインターナショナルな市場をターゲットにする場合、英語以外の言語話者にも発音しやすい名前を選ぶことが求められます。例えば、日本語の発音が難しい名前は、海外の顧客にとっては覚えにくいものとなります。

具体的には、短くて覚えやすい名前が理想です。長い名前や複雑な構成の名前は、消費者の記憶に残りにくく、広告やプロモーション活動でも不利になります。シンプルでインパクトのある名前を心がけましょう。

3.わかりやすくサービス内容のイメージが湧く

すぐに商品のイメージが湧き出す単語を入れるネーミングが重要です。例えばわかりやすい例として、「鼻セレブ」などがよく言われます。これが、「フワフワティッシュ」「鼻にやさしいティッシュ」という商品名だったらどうでしょうか?もちろん悪いわけではないですが、「鼻セレブ」ほどのガツンとしたインパクトはなく、商品イメージも湧かないかと思います。

サービス内容を明確に伝える名前は、顧客に対して信頼感を与え、購買意欲を高める効果があります。例えば、「速達便」という名前は、そのまま速い配送サービスを連想させます。これにより、顧客はすぐにサービスの内容を理解し、利用を検討する際のハードルが下がります。

また、名前に使用する単語には、ポジティブな感情を喚起するものを選びましょう。消費者は感情に基づいて意思決定を行うことが多いため、名前がポジティブな印象を与えることは非常に重要です。例えば、「セレブ」「プレミアム」「エコ」などの単語は、それぞれ高級感、優れた品質、環境に優しいというポジティブなイメージを連想させます。

具体的には、ブレインストーミングやワークショップを通じて、多くのアイデアを出し合い、その中から最も適した名前を選びます。このプロセスでは、異なる部署のメンバーが参加し、多角的な視点から意見を出すことが効果的です。

4.屋号の前後に、地域キーワードを入れると検索順位対策となる

これはECサイトなどでは異なりますが、実店舗や地域を絞ってのサービスの場合は有効です。例えば、浜松に住んでいるひとで、そのエリアのお店を探している場合、検索欄は「浜松 サービス名/商品名」などになるはずです。SEO的な観点から言っても、地域などのキーワードを入れることは一つの対策といえます。

地域キーワードを含めることで、ローカルSEOの効果を高めることができます。これは、地域密着型のビジネスにとって非常に重要です。例えば、「浜松 美容院」「大阪 ラーメン店」など、地域名を含めることで、地域内の顧客に対するアピールが強化されます。

また、Google My Businessなどのローカル検索エンジンに登録する際にも、地域キーワードを活用することで、検索結果の上位に表示されやすくなります。さらに、地域イベントや地元のニュースサイトなどと連携し、地域内での認知度を高める施策も有効です。

具体的な実施方法としては、まずターゲットとする地域を明確にし、その地域での検索トレンドを調査します。その上で、地域キーワードを組み込んだブランド名や商品名を検討します。さらに、地域特有の文化や言葉を取り入れることで、より親近感のある名前に仕上げることができます。

5.使えない文字記号は使わない

これは社名を決める場合ですが、法律的に「商号」を決める場合、登記が必要です。それには、商号として使用できない文字、使用できる文字が決まっています。例えば、「・(中点)」は先頭と末尾には使えません。また、@、!、?、()などは使用できません。よく、屋号には@が使われているのに、正式社名は日本語のカタカナでアットとなっているのを見かけますが、それはこういった理由も含まれています。

以上が羅列したほかにも、英語のアルファベット以外の外国語の文字など、使えない文字や記号がありますので、よくよく調べてみてください。また、商号に使う文字は、顧客が誤解しないように注意深く選ぶ必要があります。特に、多国籍企業の場合、異なる文化圏での意味や発音にも気を配ることが求められます。

具体的には、法務部門や専門家と連携し、商号として適切な文字と記号を確認するプロセスを確立します。また、商標登録を行う際にも、使用できる文字と記号の確認が必要です。商標権の侵害を避けるためにも、事前の調査が重要です。

6.ブランド名・商品名のSEO対策を意識した決め方

ブランド名や商品名を決める際には、SEO対策を意識することが重要です。適切なキーワードを含めることで、検索エンジンでの上位表示を狙えます。部署ごとにSEOの専門家と連携し、キーワードリサーチを行いましょう。さらに、競合分析を通じて、同じキーワードを狙っている他社との違いを明確にすることが重要です。

まず、SEOキーワードリサーチを行い、自社のブランドや商品に関連するキーワードを抽出します。Google Keyword Plannerや他のキーワードツールを使用して、検索ボリュームや競合の状況を確認します。その上で、ブランド名や商品名に適切なキーワードを含めることで、検索エンジンでの上位表示を狙います。

また、ブランド名や商品名に関連するロングテールキーワードを取り入れることも有効です。これにより、特定のニーズを持つ顧客に対してアプローチしやすくなります。例えば、「オーガニック シャンプー 自然成分」「無添加 スキンケア 敏感肌」などの具体的なキーワードを含めることで、ターゲット顧客により効果的に訴求できます。

さらに、ブランド名や商品名がSNSや口コミで広がりやすいようにするために、短くて覚えやすい名前を選ぶことも重要です。SNSでのシェアやハッシュタグとして使いやすい名前は、SEO効果を高めるだけでなく、口コミ効果も促進します。

7.部署・事業部の連携によるブランド名・商品名の決定プロセス

ブランド名や商品名の決定プロセスでは、部署、事業部が一体となって連携することが成功の鍵です。各部署が持つ専門知識や視点を統合することで、より効果的なブランド名・商品名が生まれます。営業部門は市場のトレンドや顧客のニーズを、開発部門は製品やサービスの特性を、SEO担当部署は検索エンジン対策を考慮したアプローチを提供します。これにより、ブランド名・商品名がより強力で、競争力のあるものとなるでしょう。

具体的には、ブランド名・商品名の候補を出す際に、各部署が定期的にミーティングを行い、意見交換をします。営業部門からは市場のトレンドや顧客の声をフィードバックとして提供し、開発部門からは製品やサービスの特徴を反映した名前を提案します。また、SEO担当部署は、検索エンジンでの上位表示を狙うためのキーワード戦略を共有します。

このプロセスにおいては、各部署の意見を尊重しつつ、最終的な決定は統合的な視点から行います。例えば、営業部門が提案する名前が市場トレンドに合致している場合でも、SEO対策として効果が薄い場合は再検討が必要です。逆に、SEO対策として最適な名前が市場でのインパクトに欠ける場合も、調整が求められます。

さらに、ブランド名・商品名の決定プロセスには、外部の専門家やコンサルタントを招いて意見を聞くことも効果的です。外部の視点からのフィードバックは、新たな発見や改善点を提供することが多く、より洗練された名前の選定に役立ちます。

最終的には、各部署が一体となって協力し、全体の目標に向かって一致団結することが重要です。これにより、強力で競争力のあるブランド名・商品名が誕生し、市場での成功につながります。

8. まとめ

ブランド名や商品名を決める際には、他に使われていないこと、読みやすさ、サービス内容のイメージが湧くこと、地域キーワードの活用、使えない文字記号の排除、SEO対策、そして各部署の連携が重要です。これらのポイントを考慮し、効果的なブランド名・商品名を選ぶことで、顧客の認知度と信頼を高め、ビジネスの成功を確実にすることができます。

また、継続的な市場調査とフィードバックを通じて、ブランド名や商品名の評価を確認し、必要に応じて改善を行うことも重要です。これにより、常に市場のニーズに適応し続けることが可能となります。ブランド名や商品名は、企業の顔となる重要な要素ですので、慎重かつ戦略的に選定することが求められます。

↓後編はこちら↓

➤新規事業の屋号やブランド名はどう決める?ネーミングのポイント〈後編〉

 

9. 船井総研の新規事業開発支援コンサルティングの特徴

船井総研では上記のポイントを踏まえコンサルティングを行っております。
船井総研のコンサルティングの特徴は以下の通りです。

①新規事業専門のコンサルタントが直接サポート
単なる案の作成にとどまらない、事業立ち上げを経験しているからこその厳しい視点から事業案を評価し、ブラッシュアップしていきます。事業案に応じて、弊社業種別コンサルタントの知見も導入します。

②自社の強みを活かした事業案の立案
自社の強みについての認識を各部署から集約し、多数の企業をご支援させて頂いている弊社コンサルタントの外部の視点も加えて、自社の強みを特定します。

③会社トップ層に刺激を与え、新しいことを考え続ける組織能力を獲得
各自が事業を自分で完成させるため、様々な未知の領域の情報を収集し、足を使って現場に行って調査する経験を積んで頂くことで、新しいことを考える癖付けができます。船井総研の新規事業開発コンサルティングサービスは、新規事業開発の進め方・勝てる戦略・計画の立案から事業案探し、評価、立ち上げ、展開に至るまで、幅広いサポートをご提供します。
経験豊富なコンサルタントが最新のデータやノウハウをもとに、企業様の新規事業開発をご支援いたします。



執筆: B-search

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