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2021.09.18
事業立ち上げ&推進

【成功事例】食品メーカーが外食チェーンのFC本部になって、業績を急成長させていく手法とは?

外食チェーン1社あたりの平均売上をご存知でしょうか?

平成30年の外食業界の市場規模は約19兆円、
(一般財団法人日本フードサービス協会の統計による飲食店・料飲主体部門の合計数値より)※1
また、外食業の売上高は約4,193,933百万円(日本フランチャイズチェーン協会の統計より)※2
であることから、外食チェーン1社あたりの平均売上は約19兆円÷576社=約73億円となります。

つまり、本日お伝えしたいことは、
外食のFC本部になることで直営店舗の展開のみではなしえないようなスケールの売上を手に入れられる「可能性がある」ということです。

本稿ではタイトルで示した通り、食品製造業の方が外食のフランチャイズ本部になって、
収益基盤を拡大していくための事例と具体的なプロセスについて解説をさせていただきます。
もちろん外食FCチェーンには、展開店舗数が1000店舗を超えるようなファーストフードチェーンやファミリーレストランチェーンも含まれています。

当然、誰もがそうしたポジションを確立できるわけではありません。
しかし発想を変えて、地域密着路線で、1店舗1億円規模の売上を達成できるような外食チェーンを30店舗~50店舗展開できるようなFC本部を立ち上げることは、実は十分可能なのです。

事例として、日本国内で地域密着路線による成功事例は多く存在しています。
実名は伏せますが、大手コンビニチェーンがなぜか北海道では他県と同様なシェアは獲得ができない、離島エリアでは強みが発揮できない、といったような事例が存在します。

具体的には、

「物流面でのメリットが効きづらい地域でローカルチェーンが強みを発揮する」
「地域応援志向から消費者がローカルチェーンに流れる」
「大手ができないようなローカライズ戦略が地域密着外食チェーンだからこそできる
(例:地域の食材をふんだんにつかうことは、全国展開チェーンではやりづらい)」

等、地域密着企業だからこそできる戦略を実行した結果、全国展開チェーンに負けない強みを発揮できている事例も数多く存在しているのです。

こうした成功事例が存在している一方、食品製造業を営む企業様からは「他社との差別化が難しい」・「値下げ交渉が激しい」「せっかく設備投資をしているのに、工場の稼働が安定しない」といったお悩みの声が船井総研にも寄せられています。

食品製造業様には、特定食品を大量生産することができる強みがあります。

自社で大量生産した食材を用いて、店舗で展開することができれば、ユニクロのような高収益な製造小売業態が確立できる可能性がありますが、多くの食品製造業が、「自らが食品を販売していくチャネルを確立することへのチャレンジ」を、「経験値の低い領域に対するハイリスクなチャレンジ」と捉え、二の足を踏んでいるのが現状と言えるでしょう。

確かに、これまでと同様、発注者の要望通りに食品を製造していたメーカーが、自らが「外食業態」を立ち上げていくことに対しては、ハードルの高さを感じるかもしれません。

しかし食品製造業が外食チェーン本部を立ち上げる場合、外食チェーン経営で重要な3大コストである「食材原価・人件費・家賃」のうち、食材原価を下げることが可能です。また近年はウーバーイーツの発達により、店舗を設けないでデリバリー専門形態によるレストラン開業も可能となりました(ウーバーイーツ専門業態で店舗を持たない外食業態ということで「ゴーストレストラン」と呼ばれています。

この結果、自社が立ち上げた業態について、まずは宅配専門店でトライアルをし、一定の効果検証をした上で店舗を構えていくようなスタイルも可能となりました)。

また、外食業態を立ち上げていく上での業態アイディア(例:からあげ専門店・ラザニア専門店・フライドポテト専門店 等)は、今の時代、コンサルティング会社はもちろんフリーのクラウドワーカーやフードコーディネーター等、様々なチャネルからブレーンを集めてアイディアを募ることも可能です(資金力(=食品製造機能)は無いが、売れる外食アイディアを持っているキーマンは数多く存在している)。

このように、食品製造業が外食FC本部を立ち上げることのリスクは、10年前よりもずっと低くなっているということが実際と言えますが、その事実を客観的に捉えて経営ビジョンを描けている企業様は少ないのが現状と言えるでしょう。

皆様ご存知の通り、これから日本は先進国の中でも特に顕著な「少子高齢化現象」が進行していきます。

総人口は減少し、あらゆる市場が成熟化していくと言えます。

そうした時代の突入に向けて「新たな事業の成長エンジン」を検討していくことは必須と言えますが、食品製造を営む企業様においては、是非一度、自社の新たな経営ビジョンとしてFC本部化を視野にいれた検討を行ってみてはいかがでしょうか。

執筆者:高収益化支援部 グループマネージャー 吉田創

参考資料※1:http://anan-zaidan.or.jp/data/2019-1-1.pdf


執筆: B-search

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