今、国としても勧めている施策のひとつとして「六次産業化」というものがあります。簡単にいうと、農林漁業が一次産業、加工が二次産業、小売などが三次産業となりますが、これら一次から三次までを一体化した産業が六次産業化といわれています。つまり、生産から販売までを行ってしまおうというものです。簡単にいうと、野菜農家が採れた野菜を漬物として販売したり、果物農家が採れた果物をジャムに加工して販売するといった感じです。
ここ最近では、食に対する消費者の意識も高まっていることから、このような取り組みを行った結果、成功している企業もみられるようになりました。農林水産省も六次化の取組を行おうとする事業者への予算を昨年度の2倍にしていることからも、この事業に注力していることが分かります。とはいえ、六次化に取り組んだ結果、成功するばかりかというと、そうとも限りません。
実際のところ、事業として軌道に乗せるまでに時間が掛かったり、うまく事業化できなかったということもあります。ポイントとなってくるのは、何を、誰に販売するかというところと資金計画です。何を販売するかにもよりますが、生産者からすると、鮮度を保つため、安全面での加工技術など、今までとはまったく違う労力が必要となります。また、商品ができたとしても、その販売ルートを確保する必要も出てきます。六次化を考えるときには、どのようなビジネスモデルでいくのか、どのようなストーリーが必要なのか、いくらくらいのコストが必要になるのか、事前に考えることが多くあります。
加工技術や販売面など、自分たちで解決できないことは、思い切ってその道のプロに任せることも必要です。食の安全について消費者の意識は高く、そういった観点からも六次化について興味をもつ企業は多くあります。今では、六次化についての資料などもホームページで見ることもできるので、興味のある方は、まずはどのような形態があるのか、どのような事例があるのか調べてみられてはいかがでしょうか。
執筆: B-search