新規事業の策定に当たっては、いくつかのフレームワークを使い分けることになりますが、それらのフレームワークにはどのような役割があって、フレームワーク間にはどのような繋がりがあるのでしょうか?ここでは、SWOT分析、VRIO分析、3C分析、5フォース分析、PEST分析の5つのフレームワークの関係性をみていきます。
Table of Contents
今回取り上げるフレームワークの基本を振り返り
まずは今回取り上げるフレームワークについてみていきます。
SWOT分析
「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の4つの観点から企業・事業の状況を整理し、整理を踏まえて企業や事業の方向性を導き出すフレームワーク
3C分析
「自社(company)、競合(Competitor)、市場・顧客(Customer)」の3つの観点から企業・事業を取り巻く環境を分析・整理するフレームワーク
VRIO分析
「経済性(value)、希少性(rarity)、模倣困難性(inimitability)、組織(organization)」の4つの観点から企業・事業の経営資源を分析し、その経営資源が他社・他事業との競争において優位なものであるか否かを判定するフレームワーク
5フォース分析
「競合企業間の競争・売り手の脅威・買い手の脅威・新規参入の脅威・代替品の脅威」の5つの観点から企業・事業を取り巻く外部環境、取り分け「脅威」について分析するフレームワーク
PEST分析
「政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)」の4つの観点から企業・事業を取り巻く外部環境をマクロに分析し、整理するフレームワーク
5つのフレームワークの関わり合い
つぎに5つのフレームワークの役割と関係性をみていきます。5つのフレームワークは以下の3つのようにまとめることができます。
①企業・事業の内部環境分析による、「強み」「弱み」の把握
・3C分析(自社・自事業についての分析・整理による、「強み」「弱み」の把握)
・VRIO分析(経営資源の分析による「強み」「弱み」の把握)
②企業・事業の外部環境分析による、「機会」「脅威」の把握
・3C分析(競合、市場・顧客についての分析・整理による、「機会」「脅威」の把握)
・5フォース分析(企業・事業を取り巻く外部環境、特に「脅威」の分析)
・PEST分析(企業・事業を取り巻くマクロの外部環境分析による「機会」「脅威」の把握)
③「強み」「弱み」「機会」「脅威」の整理からの企業・事業の方向性の算出
・SWOT分析
まず、最初の段階として企業・事業の内部環境分析を行い「強み」「弱み」を把握します。その際には3C分析やVRIO分析が役に立ちます。次に、企業・事業の外部環境分析を行い、「機会」「脅威」の把握を行います。その際には3C分析や5フォース分析、PEST分析が役に立ちます。最後に整理された「強み」「弱み」「機会」「脅威」を 踏まえて、企業・事業の方向性を算出していきます。この際はSWOT分析、取り分けクロスSWOT分析が役に立ちます。
まとめ
このようにそれぞれのフレームワークには役割と関係性があり、その特性を把握しておくことでより効果的・効率的に分析を進めることができます。
それぞれのフレームワークはよく使われる分析手法ですが、実際に使ってみると意外と情報の整理が難しく「使えるつもり」になりやすいものです。そこで、フレーワークの練習素材として「フレームワークのフォーマット」をご用意しました。フォーマットは下記からダウンロードすることができる、それぞれのフレームワークの攻略ガイドの中に入っておりますので、ぜひダウンロードの上ご活用いただければと思います。
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執筆: B-search