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新規事業コラム
2022.01.27
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事業立ち上げ&推進

新規事業立ち上げでぶつかる「あるある課題」7選

新規事業の立ち上げでは本当に多くの悩み・課題が湧き上がってくるかと思います。
課題の原因は様々で、単純に準備不足が原因であることもあれば、事前に察知しにくいことが理由であることもあります。

例えば2013年中小企業白書における「新事業展開における課題」アンケート調査では、
(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H25/h25/html/b2_2_3.html)
1位:新事業を担う人材の確保が困難、2位販売先の開拓・確保が困難、3位:新事業経営に関する知識・ノウハウの不足…と課題が続いています。
約10年前の調査ですが、本コラムを読んでいるみなさまにも思い当たる節があるのではないでしょうか。

時流や事業内容、企業規模に関わらず、「共通してぶつかる壁」というものがあります。
本コラムではそんな「あるある課題」を7つに分けてお伝えします。
 
 

①参入の前提条件は整理されているか?

「まずは新規事業の軸を決める」

まず何より先に、参入の前提条件を整理する必要があります。これは、事業検討の「軸」を決めるということです。
この部分をすり合わせできていないと、ある程度検討した後に「なぜ、この事業を自社で実施するのか?」といったそもそも論になることも珍しくありません。
「事業ミッション、売上・利益目標、投資額・回収期間」などの最低限の軸は事前にコンセンサスを取っておく必要があります。

②事業案を継続的に収集できているか?

「検討するに十分な情報・事業案は集まっているか?」

世の中にビジネスモデルと呼ばれるものは数多ありますが、自社に合った事業がすぐに見つかるかというと、そう簡単なものではありません。常にアンテナを伸ばして、事業案などは定期的に情報が集まるよう事前に仕組みを構築しておく必要があります。

例えば、自社の競合・類似企業が参入した事業は何なのか常にキャッチアップする、新規事業案紹介サイトやFC紹介サイトなどを定期的に確認する、アイディアピッチコンテストなどで社内からアイデアを募る・・・などが考えられます。
必要であれば外部の専門家や経験者を採用し、客観的な社外の目線を取り入れることも必要といえます。

③市場規模・成長余地を把握しているか?

「流行っている事業、上手くいっている事業=うちも成功できる事業ではない」

人気のある事業だけれど「一過性の流行ビジネス」だった、全国的にはまだ展開余地があっても「自社のエリアでは既に先行企業がいてあまりおいしくない市場」だった…など、よく耳にします。
多方から情報をあつめながらも、その事業を分析し多角的に見極める必要があります。
今後もその市場は成長するのか?自社エリアで展開できるのか?展開するとしたら何拠点まで広げられるのか?入念に調査が必要です。

④競合の参入状況・差別化のポイントを把握しているか?

「自社と敵の強み・弱みを知る」

あたりまえですが、魅力的な市場には多くの競合企業がいます。
資本力のある大手企業が参入していて正面からでは太刀打ちできない市場や、既に参入企業が乱立していて伸びしろがない市場は多くあります。
そのフィールドに自社が入ったときに、勝てる余地はあるのか?他にない魅力・強み(=差別化)が発揮できるのか?を十分に検討してください。

⑤人的リソース・組織体制は十分か?

「市場性はあることが分かった、事業計画上でもうまく行きそう、なのに現場が回らない…」

新規事業が失敗する要因の一つとして、ヒトの問題は多くの企業がぶつかる問題です。定量的に把握が難しい部分でもあるため、見落としがちでもあります。

特によくある間違いの一つが、新規事業の推進責任者が「既存事業と兼務」してしまっているパターンです。
新規事業の責任者に抜擢されるのは会社のエースであることが多く、既存事業でも重要なポジションを担ったまま新規事業を推進してしまうと、結局既存事業に時間を取られて新規事業に専念しきれない…ということが起こります。
開発初期段階は兼務でも良いのですが、話が具体化し実働時間が増えるタイミングに合わせて、業務割合を調整し、最終的には新規事業に専念できる環境フォローが必要です。

また、マネタイズするまでは多くの新規事業は赤字となります。社内の理解がなければ肩身が狭くなり、携わるスタッフのモチベーション低下・離職につながります。社長をはじめとした幹部が率先して新規事業に取り組む必要性を社内に啓蒙し、絶対的に味方となることが必要です。

⑥強力なアライアンスパートナーはいるか?

「有力パートナーがいると強い」

必ずしも新規事業を自社だけで完結させる必要はありません。
事業が成功したケースとして、「業界で一定のポジションを持った強力な仕入・販売パートナーとの取引が差別化ポイントとなった」というケースも多くあります。
ビジネスモデルのどの部分を抑えることができたら勝てるのか、その部分の提携パートナーとして地域の有力企業と交渉する余地はあるかどうか、一度検討することをお勧めします。

⑦撤退基準は明確か?

「辞める基準まで含めて新規事業参入」

必ず決めておかなければいけないのが、事業を辞めるタイミングです。
あらかじめ撤退基準を定めておかなければ、ズルズルと事業を続けていってしまい、気が付いた時には取り返しのつかないような状況まで陥っている、ということになりかねません。
投資してきた事業からの撤退号令は、見方によっては新規事業決定以上に決断が必要です。
しっかりと辞める判断ができるところまで含めて、新規事業参入であるといえます。

以上7つに分けて「新規事業のあるある課題」を解説してまいりました。
新規事業を成功させるための絶対的なノウハウはありませんが、多くの企業がぶつかる壁には共通点があり、それを乗り越えて軌道に乗せるためには資金・組織・ニーズなどあらゆる視点から課題抽出することが重要です。
新規事業を立ち上げようとお考えの方にとって一助となれば幸いです。


執筆: B-search

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