人口減少社会の到来により、将来、多数の業界の衰退が見込まれる現在、さまざまな業種、業態の企業様が新規事業を検討されています。
我々船井総研も、主に成熟産業を営む中小・中堅クラスの企業様からご相談を相次いでおります。
新規事業を検討される企業様は増えてきてはいるものの、実際に晴れて事業としてスタートできる企業様、また、事業として成功する企業様は多くありません。それは大手、中小問わず、共通の結果です。
では、なぜこのような“失敗”が起こってしまうのでしょう。
今回のコラムでは、“よくある失敗例”の一部を紹介させていただきます。
【1】市場規模が想定以上に小さかった!
例えば、ある国のBtoC市場は、インターネット上のデータなどでは2,000億円あると記載されているが、いざ事業をスタートしてみると全くニーズがないため、調査したところ、実際は100億円程度しかなかった。結局撤退へ。
【2】法改正により収益性が下がってしまった!
法改正のリスクをしっかり把握せず、事業をスタート。法改正後、利益率が一気に悪化し、目処がたたず撤退へ。これは医療や介護事業など、法改正が数年に1回行われる事業でよくある話です。
【3】事業の検討体制を誤ってしまった!
優秀な人材を集めて、新規事業の検討をスタート。ただし、集められた人材はみな、既存業務と兼務であった。結果的に全く時間がとれず、ずるずると時間だけが経ち、完全に出遅れてしまい、事業スタートできない。
【4】想定以上にビジネスを組み立てるのが困難だった!
介護や保育事業などは実は、どの企業も同じく人材不足の状態です。事業シミュレーション上、理論値で算出した人材人数。ふたを開けてみたら全く採用できず、結果、事業は拡大できない。
これらの例はあくまで一部であり、失敗例はまだまだ、たくさんあります。
いかがでしょうか?
成功例を知ることも大事ですが、それと同じくらい失敗を知っておくことも大事だと思いませんか?
皆さんは失敗例、集められておりますか?
執筆: B-search