今回ご紹介するのはVRIO(ブリオ)分析です。
これは自社の競争優位性を確保するための内部環境を分析する4視点を提唱しています。
商品の開発やマーケティングというよりも、経営戦略定において活用されるものになってきます。
新規事業につきものの「不確実性」はどんなに入念に準備しても無くすことは困難です。そのため、自社の内部環境について客観的に把握をしておくことで、強み・弱みが明確になり、競争優位性のある戦略が立てやすくなると考えられます、
VRIOは4つの言葉の頭文字のからとった言葉になります。
Value:経済的な価値
Rareness:希少性
Imitability:模倣困難性
Organization:組織
4つの質問に順番に答えることで、事業が競争優位性を得ているかを確認していきます。
左上の事業の経済価値から順に、現在の事業がイエスかノーかで答えていきます。
全てイエスであれば、持続的な競争優位があると確認することができます。
それぞれの項目を確認していきたいと思います。
Value:経済的な価値
リソースは十分にあるか、という部分になります。
ここでいるリソースとは、資金的なリソースはもちろんですが、不動産や機器類など、すべて含めたリソースを指しています。
こういったリソースをもってして、もしもピンチになった際に損害を最小限に食い止められるか(そもそもピンチに陥らないだけのリソースかどうか)、反対に機会はあったのにそれを活かせすことができるかが決まるため、
この点が提供化だった場合、他社に比べて競争力に欠けるということになります。
Rarity:希少性
業界・マーケットでそのビジネスは希少かどうかを評価する項目になります。
マーケットにおいて自社や自社が提供している商品・サービスは希少性が高いものなのか、ありふれたものなのかという視点で分析します。
おなじ商品、同じバリューを提供している競合はどれほどあるでしょうか。
リソースがあっても希少性が低い場合は、競争力が拮抗してしまっているといえます。
Imitability:模倣困難性
参入ハードルの高さはいかほどなのか、という項目になります。
業界においてそのビジネスを模倣する場合はコストやリソースがどれだけかかるのか?」
業界において自社やプロジェクトのビジネスは模倣しやすいのか、簡単には真似できないのかについて考えます。「現在のビジネス活動をするためにはリソースやコストがどれくらいかかるのか」という観点でいうと分かりやすいです。この時点でNGだった場合は「一時的な競争優位の状態」です。希少性が低い市場にいるものの模倣されやすいので、現状だけは競争優位性を担保できていますが、いつ競争均衡に戻ってしまうか分からない状況です。
Organization:組織
最後は、組織や仕組みのリソースは十分か、という項目になります。
経営資源があって、良いビジネスがあっても、それを叶える組織の力がなくては実現困難です。
Value、Rarity、Imitabilityを満たしたうえで、それに組織力が加わってやっと、持続的な競争優位性が実現します。
以上、VRIO分析の基本をご紹介しました。
具体的なマーケティングや事業開発に使うフレームワークとは少し異なりますが、
企業としての基盤を固めておくことは新規事業というリスクのある挑戦には欠かせません。
その前に一度、VRIO分析の視点で自社を分析してみてはいかがでしょうか。
執筆: B-search