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新規事業コラム
2021.09.16
事業を見極める

「集客商品の付加による高収益化」事業を付加する3つのポイント!

なぜあの婚活サービス企業は、顧客ニーズを満たし高収益化を実現できているのか?

高収益化への施策は必ずしも1つではなく、様々な手法がありますが、今回は事業付加による高収益化の事例をお伝えします。

見込み客をストックする新規事業付加で販促費13%減

高収益化の1つのパターンとして、

“新規事業付加による事業間送客”という方法があります。

例えば、皆様が体を鍛えるためにトレーニングジムに通うとします。

トレーニングジムにはダイエット目的で通い、体重を減らすことをゴールに通い始めるとします。

しかし、“ダイエットによる減量”自体は本当に皆様が目指す最終的な目的なのでしょうか。

ダイエットを成功した後に“かっこいい体になりたい”という欲求や“健康な体で生活をしたい”という欲求そのものがゴールであって、

あくまでダイエットは手段の1つという位置付けになります。

そのため、トレーニングジムは減量するためのノウハウを伝えるのではなく、“どうやったらかっこいい体になれるのか”や“健康を維持できる体になれるのか”

という欲求に直結したサービスが最終的に顧客の支持を得られることになります。

このように、様々な製品・サービスが世の中にはあふれていますが、本当の顧客の欲求・ニーズを叶えることのできる提供価値になっていますでしょうか。

高収益化の事例として、顧客のニーズを細かく分類し、ニーズに応えることで高収益を実現している企業があります。

婚活関連サービスを展開しているある企業は、“結婚を切り口として人生を豊かにすること”を実現できるサービスを展開しています。

この企業の事業セグメントを見てみると、

①マッチングサイト

 →簡易的にパートナーを探したい人

②婚活パーティ

 →とにかくパートナー候補と会ってお話したい人

③結婚相談所

→本気で結婚したい人

④トータルライフサポート

→結婚後のパートナーとの人生を豊かにしたい人

というように、顧客のニーズによって事業を分けています。一見、全く違う顧客層を相手に事業をしているようにも見えますが、

実はつながりのある事業構成になっています。

この会社の事業付加の歴史を見てみますと、

・世の中にはパートナー探しをしたい人が多くなってきた

→マッチングサイトで気軽に相手を検索・申込できるサービスを開発した

・相手にお見合いを申し込めるけど、実際にマッチした出会えない人がいる

→“婚活パーティ”という短時間で5人~10人とお見合いできるサービスを開発した

・お見合いはできるけど交際までいかず、結婚までたどり着けない人がいる

→“本気で結婚したい人”に特化した結婚相談所サービスを開発した

・結婚はできたけど、その後の人生も幸せに過ごしたい

→結婚を切り口として人生に関わる事業の提案を付加した

というように、ゴールを“顧客の人生の豊かさ”に設定し、細かなニーズに特化した事業を付加し続けることで、 欲求が成長するにつれ、自然と顧客が自社の他事業に移行するようになっています。

そのため、収益性の高い結婚相談所事業の販促はほとんどせずに、集客商品であるマッチングサイト・婚活パーティで顧客からお金をもらいつつ見込み客をストックし、顧客の欲求が成長した段階で収益商品である結婚相談所へ誘導をしています。

そして、結婚をした人を相手に指輪や新婚旅行という新規事業を付加し、住宅や自動車の販売など、ライフステージの変化によって新たな事業を付加しています。

それでは、どのように収益商品への事業間送客を実現してきたかポイントをまとめると、

①自社がターゲットとする顧客の属性・欲求を細かく把握する(=顧客ニーズの細分化)

②既存事業がターゲットとして叶える顧客の欲求を絞り込み、扱う客と扱わない客を決める (=収益商品の見直し)

③扱わない客の中で、将来的な見込み客となる顧客層に向けた新規事業を付加する(=集客商品の付加)

というステップになります。

皆様もこの3つのポイントを徹底してみてはいかがでしょうか。


執筆: B-search

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