皆さんの会社では、“新規事業”に対してどのような取り組みをされているでしょうか?現在、国内を主戦場にしている多くの企業が、「今戦っている業界の市場規模が頭打ちになっているから、将来のことを考えると“新規事業”に着手していかないと自社の成長はままならない」という認識を持っているようで、弊社においても「“新規事業”をいちからサポートしてもらえるようなコンサルティングをお願いしたい」といった引き合いがかなり増えてきています。
本コラムでは、これまでのコンサルティング事例より、新規事業をうまく立ち上げる企業とそうでない企業を比べた際の違い、つまり「どこが成功のポイントになるのか」を説明したいと思います。ヤクルト、阪神、楽天の監督をされた野村克也氏が「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」とコメントされていましたが、この“新規事業”においてもまさにその通りで、失敗してしまう企業にこそ共通項を見出すことができます。
失敗という現象は大きく2つのパターンに分けられます。ひとつは、「“新規事業”のプロジェクトを立ち上げたけれども結局何に着手すればよいのかを意思決定することができない」パターンで、もうひとつは「やることは決まったけれどもその先(つまり実行段階)で頓挫してしまう」パターンです。今回は特に「意思決定できない」パターンについて考察してみましょう。「意思決定できない」からといって、これらの企業がおかしなことをやっているのかというと決してそんなことはありません。
あくまでも日本国内をターゲットにした場合ですが、
【1】これから伸びそうな市場を抽出する
【2】それらの市場において既に一定のポジションを獲得している企業の特長を分析する
【3】それらの市場のなかで自社の技術、商品、サービスで参入できる余地があるのかを検討する
といった流れで成長市場への参入検討を進めており、このプロセス自体に大きな問題は無いように思えます。では、何が問題になってくるかというと、上記のプロセスを辿りながら検討を進めても、なかなか斬新なアイディアが生まれない、というこの一点に尽きると思います。大きな組織であればあるほど、組織の合意を得られなければ“新規事業”に参入することなどできないことから、出来る限り論理的に事を運ぼうとするわけですが、一方で、論理的に事を運ぶことで必ずしもアイディアが出てくるわけではないというジレンマに晒されてしまうのです。
かつて、ブルーオーシャンという言葉が流行った時期があったのを記憶されているかたも多いと思いますが、既存事業はレッドオーシャンで戦っているのだから、“新規事業”は出来ればブルーオーシャンにと考えるわけですね。そのようなアイディアを生み出す為には、どこかで論理の飛躍(要するに論理的とはいえないということですが)をしなければなりません。例えば、あえて業界の常識とされているようなことを否定してみたり、事業者としての視点では無く、とことん利用者の視点で考えてみたり、あるいは、俗に“千本ノック”と呼ばれているような、その質はさておきアイディアの数を出し尽くすような場を設けてみたり、ということです。
これらは言わば、「普段の脳(様々な制約にさらされている脳)から別の脳(制約から解放された脳)に変換する」という作業が必要になるのですが、これさえ出来ればアイディア自体はどんどん出せるようになりますし、決して難しいことはありません。具体的な方法に関しては、下記セミナーのワークショップにて体験できますので、是非ご参加いただければと思いますし、興味のある方は次回以降のご案内をしますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
執筆: B-search