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新規事業コラム
2022.02.17
事業を見極める
事業計画を立てる

新規事業の探し方:必要な準備とそのプロセス

新規事業の立ち上げは、おおくの企業にとって大きな転換期になります。
時流や市場環境、消費者ニーズがせわしなくまた多様に変化し、ビジネスモデルのライフサイクルも短い今の時代に、新規事業を立ち上げることは大きなチャレンジとなるとともに、企業の新陳代謝と持続的成長のために重要な戦略といえます。

一般的に新規事業立ち上げでは、事業案出し→事業を調査・評価→事業案を作成→立ち上げ・推進の流れとなりますが、ここではどんなプロセスを踏み、どんな準備を考えておく必要があるのか、ポイントを解説します。

ステップ①事業案出しのポイント

事業を決定するにあたって、まずは事業案候補を複数考える必要があります。
このとき、フレームワークを利用して考えてみるなど、
一般的なアイデア出しの方法はいくつかありますが、
まず最重要といえるのは以下の3つのポイントです。

・技術や仕入れルートなど、自社のできることから考える
・これまでお金・時間をかけてきたことから考える
・自社の想いやありたい姿から考える

つまり、「ありたい会社の姿」「自社がこれまでやってきた・蓄積してきたこと」「自社が持ち得る力」この3点をまず整理して、逆算していくことが方法の一つといえます。

事業としてどうなりたつのか、どう儲かるのかというのは大前提として重要ですが、最初の段階でこの3点を無視して事業を決めてしまうとどんなことが起きてしまうかというと…

・ある程度検討した後に「そもそもどうしてこの事業を実施するのか?」といった風に、堂々巡りになってしまう
・社内の理解やメンバーの共感といった、マインドセットがない状態のプロジェクトとなってしまう
・社風や成長ビジョンに合わない、ちぐはぐな構想になってしまう

儲かる・時流であるビジネスを探すと同時に、自社に「合う」という点も重要といえます。
そういった最低限の基準を社内で整理したうえで、事業案を検討してみてください

ステップ②事業調査・評価のポイント

ステップ①である程度事業案が出てきた後に、事業を調査して絞っていくわけですが、
「その事業の実現可能性」を考える必要があります。
具体的には…

・地域の競合は誰か?
・その業界や事業に市場規模と成長性はあるのか?
・うちが出せるポイント(強み・差別化)は何か?
・収支構造はどんな形か。なにに投資が必要なのか?

つまり、そのビジネスの構造と取り巻く環境を理解し、そこで自社がどの立ち位置に立てるかを把握する、ということになります。
一つの方法として、デスクデータの解析や、3C分析・SWOT分析などのフレームワークを利用することで輪郭が見えてきます。

ある程度の事業案が絞れた段階で、必要であれば調査会社や専門のコンサルティング会社に依頼することで、より専門的な解析が可能となります。

ステップ③事業案作成~実行のポイント

ステップ②を経て、新規事業案の決定後、
いよいよ事業計画段階へうつっていくことになります。
業種やビジネスモデルによって事業案のポイントは変化しますし、
ポイントも細分化すると数えきれないわけですが、
共通するセオリーとしては、以下のポイントを整理する必要があります。

例えば…
・商品・サービスと価格はどうするか?
・広告計画、どのように売っていくのか?
・販売チャネルはいくつあるのか?
・採用、育成などの組織計画は?
・業務フロー・マニュアルは?
・資金調達はどのように行うのか?
・数値計画は?(数値計画/投資回収計画)
・全体と各セクションのスケジュールは?

この段階になると、社内のプロジェクトチームも本格稼働していくわけですが、
ノウハウ・チーム・資金3点のバランスが崩れると必ずどこかで無理が生じてきます。
事業担当者への適切な権限移譲とチーム内での役割分担、
必要な予算などの環境整備に気を配りながら、
選択と集中のメリハリの利いた新規事業立ち上げを行っていく必要があります。


上記のポイントがひとつでも抜けていた、ちょっと怪しい箇所があった…などあれば、早い段階で穴を埋めたうえで、新規事業が軌道にのるよう意識していただければと思います。
新規事業を立ち上げようとお考えの方にとって一助となれば幸いです。


執筆: B-search

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