陶芸教室のビジネスモデル
ここでは、陶芸教室のビジネスモデルを紹介します。
1,目的で収益構造が異なるビジネスモデル
陶芸教室は、利用者の目的によって収益構造が変わります。利用者の目的は2つで、1つ目が陶芸体験としての利用です。スポットでの収入で、1回あたり1000円〜5000円で程度で価格設定をします。2つ目が、陶芸家になるための教室として利用です。月謝制の収益構造になり、入会金をつけることで増収を見込むことができます。また、商圏としても体験としての利用の場合は、観光目的など日本全国から集客することが可能です。一方で、月謝制の教室の場合は商圏が最大でも車で1時間程度のところになります。
2,新規参入が難しいビジネスモデル
陶芸教室は、新規参入が難しいビジネスモデルです。陶芸を教えるには、陶芸のスキルがあるだけではなく、陶芸を第三者に教えることができるスキル、陶芸ができる設備を持っている必要があります。また、並行して集客ができるマーケティングスキルも必要です。そのため、新規参入者の参入障壁が高くなっています。
3,コミュニティー形成がカギになるビジネスモデル
陶芸教室は、コミュニティー形成が継続利用を促す上では重要になります。陶芸教室の利用者の多くは、50歳以上の方が多く趣味としての利用が多いです。そのため、陶芸教室には陶芸を習う目的だけではなく、同じ趣味を持った人との交流のために利用している人もいます。
陶芸教室を取り巻く環境
1,高齢者の潜在需要が高い
陶芸教室は、高齢者の潜在需要が高いです。潜在需要とは、実際には陶芸をしていないが陶芸には興味がある人のことを指します。「レジャー白書2017」によると、高齢者の潜在需要のトップは「日曜大工」や「模型作り」を差し置いて「陶芸」になっています。
2,女性の利用が多く50代以上の利用が半分を占める
陶芸を趣味とている人は、女性が80%になっている。また、年代別では50歳以上が50%を占めているのが特徴です。
3,産業としての「陶芸」の衰退
産業としての陶芸の規模を示す日用陶磁器の国内生産額はここ10年で6割以上減少している。この背景には、高齢化と跡継ぎ不足により陶芸技術の伝承ができなくなったことや中国製の低価格な陶器の輸入があります。産業としての陶芸が衰退することで、陶芸スキルを持った人も減少して、結果的に陶芸教室の数自体が少なくなることも予想されます。
陶芸教室がおすすめな人
ここでは、陶芸教室がおすすめな人を紹介していきます。
陶芸を観光の目玉としたい地方自治体
陶芸でシナジーをうみたいカルチャーセンター
高齢者の活性化を促したい老人ホーム経営者
陶芸教室の成功のポイント
ここでは、陶芸教室の成功のポイントを紹介します。
1,利用者間で交流を促す
陶芸教室の利用者には、同じ趣味を持った仲間と交流をしたいために陶芸教室を利用している人もいます。また、今後高齢者の人口が増えていくことで、さらに陶芸教室の高齢化が進んでいくでしょう。そこで、陶芸教室として成功するには高齢者を集客するだけではなく、利用者が長期的に利用してくれるように交流イベントを開催して、陶芸教室をコミュニティーにするのがいいでしょう。
2,都市部での展開
陶芸教室には、コロナの影響を受けて遠出ができなくなった若者が娯楽目的で訪れる人が多いです。実際に「製陶ふくだ」では、県内からの若者の利用者がコロナの影響で2倍以上に増えています。そのため、陶芸教室で成功するには若者の人口が多く、近距離の娯楽としてのニーズが高い場所に出店することが必要です。