学習塾(個別指導型)のビジネスモデル
ここでは、学習塾(個別指導型)のビジネスモデルを紹介していきます。
1,講師の質が経営に直接影響を与えるビジネスモデル
学習塾(個別指導型)は、講師の質が授業の質に直接つながるビジネスモデルです。学習塾(個別指導型)の多くは、高学歴の大学生を講師のアルバイトとして雇っています。一方で、学力と指導力の関連性はそこまで大きくないです。そのため、採用の際には学歴だけではなく、指導力を重視しコミュニケーションスキルに長けていて、わからない人の立場になり、何がわからないのかを理解できる講師の採用が重要になります。
2,回転数がカギになるビジネスモデル
学習塾(個別指導型)は、生徒の回転数が経営安定化のポイントです。学習塾(個別指導型)では、マンツーマンで指導する方式が多く、授業料に対して人件費の割合が高くなります。そこで、1回の授業で複数人に対して個別指導を行える1on2〜3方式の導入や授業間の休憩時間の削減によるコマ数の増加などが必要です。
3,顧客が生徒と保護者の2者になるビジネスモデル
学習塾(個別指導型)では、講師・経営者が対峙する相手は生徒だけではなく、保護者も対峙すべきビジネスモデルになります。生徒に対しての授業だけではなく、保護者に対しては生徒の様子や受験に対して保護者として不安を取り除くように行動しないと、継続しての契約が難しいです。一方で、保護者との関係を良好なものにすることで、継続的に利用されることも期待できるビジネスモデルになります。
学習塾(個別指導型)を取り巻く環境
1,集団から個別にシフトしている
三井住友銀行によると集団塾と個別指導塾の割合は、2009年にはシェア31%であった個別指導塾が2017年には37%になり、個別指導塾の方がシェアが年々大きくなっている現状があります。この背景には、入試方式の多様化によりオーダーメイドの指導が求められていることがあります。
2,既存科目以外への対応
学習塾(個別指導型)では、国語・算数・理科・社会などの主要科目以外への対応も求められています。そのなかでも大きなものが、小学生のプログラミングと英語である。プログラミング・英語はともに小学生の学習指導要領において新たに策定された分野です。これらの分野に対応することが学習塾(個別指導型)の急務とされています。この背景には、プログラミング・英語ともに必要な知識である一方、生徒間での理解力に差が出やすいことや学校の指導では満足できない生徒が出てくることがあります。
3,クチコミの影響が拡大している
大手ウェブサービス会社の塾比較サイトやそこに付随するクチコミ機能やSNSでのクチコミが影響力を増している現状があります。クチコミサイトの評価で入塾の判断を決めることも多く、また指導力が高いとクチコミされている講師を指導する親も多いです。
学習塾(個別指導型)がおすすめの人
学習塾(個別指導型)がおすすめなのは、以下の通りの人です。
広告事業を得意にしているweb系企業
生徒への指導能力がある集団塾経営者
学習塾(個別指導型)の成功のポイント
ここでは、学習塾(個別指導型)の成功のポイントを紹介します
1,クチコミや広告への注力
SNSやクチコミサービスによって塾の評価をする親が多い一方で、学習塾(個別指導型)ではクチコミ対策まで対応できていない企業が多いです。そこで、クチコミ対策とwebサイトへの広告掲載などでwebを中心にした営業が必要になります。
2,指導力の高い講師の採用
学習塾(個別指導型)では、講師の指導力がカギになります。一方で、指導力は学力と比例しないので、学力が高くてかつ指導力が高い講師の採用が必要です。そのためには、採用フローのなかに、指導演習を設けることや研修時間を多くするなどして、講師の質を均一化するのがポイントです。