カルチャースクールのビジネスモデル
ここでは、カルチャースクールのビジネスモデルを紹介します。
1,女性の利用が大半のビジネスモデル
リクルートの調査によると、何か学ぶ時にカルチャーセンターを利用する女性の割合が高くなっています。また、中小機構の調査でも女性の方が男性と比較してカルチャーセンターの利用率が倍近くになっています。そのため、カルチャーセンターを経営するためには、女性の利用者を増やすことが第一になるでしょう。
2,低価格のビジネスモデル
カルチャーセンターの概況によると、60分あたりの文字単価の平均は1374円になっている。また、よみうりカルチャーセンターなど新聞社が運営するカルチャースクールでは、60分あたりの文字単価の平均は1068円です。カルチャースクールは、低価格で学ぶことができる特性を活かして、気軽な利用を促し集客をするビジネスモデルである。
3,スモールスタートができるビジネスモデル
カルチャーセンターの多くは、小規模のもので自宅でも始めることができるビジネスモデルです。また、講師を経営者が行うケースも多く、人件費や家賃などの固定費を最小限にして始められるビジネスモデルになっている。
4,利益率が低いビジネスモデル
カルチャーセンターは、小規模な事業者が多く、かつ市場規模としてもほかのスクール事業と比較すると小さいです。一方で、受講料の上昇に否定的、講師の時給の上昇、テナント料の上昇、競合の増加による価格競争などで、利益率が低く推移しやすいです。また、単発での利用も多く入会金の設定ができないことも多いビジネスモデルでもあります。
カルチャースクールを取り巻く環境
1,利用率・利用額は減少傾向
カルチャースクールの利用率と利用金額は年々減少傾向している。中小機構によると2008年で335億円、2012年で306億円です。また、新型コロナウイルスの影響でカルチャースクールのように、対面で行うスクールの運営が難しくなっており、今後も利用率・利用額は減少することが予想されます。
2,生涯学習意欲の高まり
内閣府が2008年5月に実施した「生涯学習に関する世論調査」によると学び直したいと思っている60歳以上の高齢者の数は、全体の6割以上にもなり、高齢者を中心に生涯学習意欲が高まっていることがわかります。
3,差別化された講座の人気
新しいことを学びたいという学習意欲を満たすために、習い事としては一般的ではないものが人気になっている。NHKカルチャーセンターでは、「HIPHOPで元気に!」や「恐竜たちの生存戦略」が人気講座として紹介されています。
カルチャースクールがおすすめな人
カルチャースクールがおすすめな人は以下の通りです。
少額の資金で事業を始めたい起業家
空いている時間を有効利用したい旅館・ホテル経営者
高齢者の交流に興味がある老人ホーム経営者
カルチャースクールの成功のポイント
ここでは、カルチャースクールの成功のポイントを紹介します。
1,若い女性を取り込む講座作り
中小機構のカルチャースクールに対しての利用意欲の調査によると、カルチャースクールに対して積極的利用意欲を持っているのは、30代女性で21%、20代女性で19%と高い数字になっています。そこで、カルチャースクールとして成功するには、若い女性の利用を促せる講座作りが必要になるでしょう。
2,交流の場所の提供
高齢者の学習意欲の高まりの背景には、他社との積極的交流を望んでいることがあります。そこで、カルチャースクールで成功するには、何かを教えるスクールとしての機能だけではなく、利用者同士でも交流ができるコミュニティー機能を持ったスクールにすることが必要です。