どのようなサービスか
訪問看護ステーションは、自宅を訪問して看護を行う医療系の専門職が所属する事務所です。乳幼児から高齢者まで利用することが可能ですが、ここでは介護サービスを提供する場合を解説します。
1.訪問看護ステーションの概要
介護サービス事業における訪問看護ステーションには、大きく分けて「訪問看護」と「定期巡回型および随時対応型の訪問介護看護」の2つの事業タイプに分かれます。
訪問看護事業では、要看護1~5の利用者の自宅を訪問し、健康状態のチェック、点滴や注射、服薬の管理、心身機能の維持と回復を目的としたリハビリテーションなどを行います。緊急時にも対応します。
定期巡回型および随時対応型の訪問介護看護事業では、訪問介護員または訪問看護員によって日中と夜間を通じて24時間体制でサービスを提供します。介護職員と看護職員が一体化もしくは連携して利用者に対応します。
訪問看護ステーションの管理者は、保健師または看護師が管理者です。配置する人員として看護師、准看護師、保健師、助産師のほか、リハビリテーションの対応として理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を配置する場合もあります。
2.訪問介護ステーションを開設するまでの準備
訪問看護ステーションの開業には法人格が必要であり、都道府県や市町村に認可申請して指定を受けなければなりません。
開設にあたっては、都道府県や市区町村の介護保険や老人保険の担当者と事前協議を行います。事前協議のために、事業理念、サービス概要、利用者数の見込みなどを明確にする必要があります。地域特性をはじめ、介護ステーション、医院、診療所の数などの現状を把握した上で構想を具体化するとよいでしょう。
訪問看護ステーションの人員基準では、保健師、看護師または準看護師による看護職員を常勤換算で2.5人配置することが義務付けられています。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も必要に応じて配置します。保険請求を行う事務職員も必要な人員です。
事業開始後の収入は3ヶ月後になるため、3ヶ月から半年ほどの人件費を確保しておく必要があります。
3.訪問看護ステーション開業のための書類と申請
訪問看護ステーションでは、利用者に重要事項を説明しなければならないため、事業運営に必要な規程などをさまざまな書類を整備することが必要です。必要な書類には事業所のパンフレットや各種マニュアルも含まれます。
開業にあたっては、介護保険法に基づいた都道府県知事または指定都市および中核市市長による事業者指定、健康保険法に基づいた事業者指定の申請を行って認可を得ます。開設する都道府県にさまざまな届け出が必要になりますが、自治体によって異なる場合があるため、確認が必要です。
業界動向やトレンドについて
在宅医療の需要が高まるにつれ、訪問看護は重要なサービスになりました。訪問看護ステーションの設置は増加傾向にあり、これからも介護業界で期待される事業領域のひとつです。
訪問看護ステーションの開業がおすすめの方
訪問看護ステーションは医療系のケアを行うため、既存の医院や診療所から参入する事業戦略が有効です。終末期にある要介護者の対応も求められるため、高度なスキルとともに精神力が求められます。
成功のポイントは?
訪問看護ステーションを成功させるポイントは、サービス品質の標準化、スタッフの定着率の向上です。事業所の理念を浸透させ、スタッフ間の連携をスムーズにすることが成功のポイントといえるでしょう。運営の体系化とマニュアル化も大切ですが、それぞれのスタッフの即戦力が重要になります。
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