どのようなサービスか
通所リハビリテーションは「デイケア」とも呼ばれ、施設に通ってリハビリテーションや食事や入浴などの生活支援を行います。医師などの人員配置が求められるため、医院や診療所の施設で提供することが一般的です。
1.介護はもちろん介護の予防として行う通所リハビリテーション
通所リハビリテーションは、要介護1~5の利用者を対象に、主治医の指示をもとに利用者の心身の状況に合わせて身体機能の維持回復訓練や日常生活の動作訓練を実施します。食事や入浴を行う施設もあります。
通所リハビリテーションの施設によって、設備、サービス、器具、時間の設定などが異なります。つまり、開業する地域の需要や事業規模によって最適化、あるいは特長的なサービスを提供することによって差別化ができます。
また、介護が必要になる前の要支援1~2の利用者を対象とした「介護予防通所リハビリテーション」が注目されています。
運動機能の向上、栄養士などによる栄養改善、歯科衛生士による口腔機能を改善するための訓練、アクティビティと呼ばれる集団のレクリエーションなどを選択可能で提供します。
2.通所リハビリテーションの人員基準
通所リハビリテーションの人員基準としては、まず常勤の医師が1名以上必要です。医師は医院や診療所の医師が兼務可能です。
医師のほかに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員のいずれかを、利用者に対する基準を満たした人員数で配置しなければなりません。詳細は提供するサービスの単位や時間、場所によって異なるため確認しましょう。
介護職員には、介護福祉士、レクリエーション介護士のほか、介護職員初任者や介護職員実務者の研修を修了していることなどの資格が必要になります。
3.通所リハビリテーションの開業手続き
通所リハビリテーションの開業には、都道府県や市区町村の介護保険担当部署に認可申請を行います。自治体によって基準や提出書類が異なるため事前に確認が必要です。
業界動向やトレンドについて
団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えて、厚生労働省は「地域包括ケアシステム」を推進しています。高齢者の尊厳を保持し、可能な限り住み慣れた地域で自立した生活を営めるように地域の介護環境の整備に取り組んでいます。
こうした背景のもとに通所リハビリテーションの事業所は、わずかながら増加傾向にあります。
通所リハビリテーションの開業がおすすめの方
通所リハビリテーションの経営者とスタッフは、まずリハビリテーションに興味があり、積極的に知識を学ぼうとする向上心のある人が向いています。実際のリハビリテーションは看護職員や専門職のスタッフと連携してチームで行うため、異なった職種を尊重するコミュニケーション能力と協調性も重要です。
リハビリテーションの一環としてゲームや体操を行うことがあるため、利用者が楽しみながら身体機能の回復を実現できるような企画力も求められます。
成功のポイントは?
通所リハビリテーションのサービスの開業にあたっては、利用前に施設の見学や体験利用を実施するとよいでしょう。また、ケアマネージャーには施設利用のメリットを十分に理解してもらい、適切なアドバイスを行うようにします。
短期集中型のリハビリテーションでは、回復の成果が重視されます。理学療法士、作業療法士などの有資格者を採用する際には実践的なスキルを重視し、採用後も人材教育を重ねることによってサービス品質の向上に注力することが成功のポイントです。
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