~飲食や病気などで運転できなくなった依頼者の運転を代行~
■どんなモデルか
個人で開業する運転代行サービスは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①ドライバーの問題を解決する運転代行ビジネス
運転代行サービスは、飲酒や体調不調のドライバーに代わって自動車を運転し、依頼主の指定した場所まで送るサービスです。
代行ビジネスには家事、営業などさまざまな種類がありますが、依頼者のできないことを解決することに意義があります。特殊な資格を必要とせずに、空いた時間やモノを活用して始められることがメリットです。
運転代行サービスは、2人のドライバーで開業できます。個人開業のほかにはフランチャイズがあり、スタッフの手配などさまざまなサポートを受けられます。
②随伴と代行の2人1組のペアで提供
運転代行サービスは、通常2人1組のペアで行います。
運転代行サービスのドライバーが依頼者を乗せ、依頼者の自動車を運転します。もうひとりは、随伴車で依頼者の自動車を追走します。目的地まで依頼者と依頼者の自動車を届けた後は、2人とも随伴車で戻ります。
依頼者は必ず自分の自動車に乗らなければなりません。タクシー会社では、会社所有の自動車に利用者を乗せて運びますが、依頼者の自動車を運転する点でタクシーとは異なります。
③公安委員会の認定など、さまざまな要件が必要
運転代行サービスを開業するためには、都道府県の公安委員会からの認定が必要です。また、依頼人の自動車を運転するドライバーは第二種免許を持っていることが条件で、持っていない場合は違反になります。
運転代行をする自動車と随伴する自動車には、それが分かるように所定の位置に表示しなければなりません。依頼者にはサービスを提供する前に、事業所名称、氏名、料金、約款、事故の際の損害賠償の内容などの表示が求められます。
■業界動向やトレンドについて
2002年に自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(自動車運転代行法)が施行されてから、運転代行サービスを提供する事業者が増えました。しかし、無許可の運転や利用上のトラブルが問題になっています。
一方で、超高齢社会によって高齢者の運転する自動車の大きな事故が報道され、免許を返却するシニアのドライバーが増えました。高齢者に対応した運転代行サービスの需要が見込めます。交通手段が自動車中心の地域では、ニーズが高いといえるでしょう。
事業者側としては、早朝や深夜に依頼者が増えるため生活が不規則になることや、地域によっては集客が難しいなどの困難を抱えている状況にあります。
■運転代行サービスがおすすめの方
運転代行サービスのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・タクシーや運送業の経験があり、地理感覚のある方
・自動車の安全運転に自信のある方
・接客サービスなどを経験している方
不規則な就業時間になるため、体調管理に配慮が必要です。
■成功のポイントは?
運転代行サービスのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①依頼者とのコミュニケーションに配慮
酔った依頼者が多いため、ムリな要求があっても穏やかに対応できること、コミュニケーション能力が高いことがポイントです。
②地元メディアやマッチングサービスなどの利用
個人でスタートする場合は、地元密着型の広告媒体、チラシ、ポスターなどを活用します。スマートフォンのマッチングアプリや、インターネットの地図に登録することも有効です。
③さまざまなリスク回避の対策
運転代行サービスには、事故やトラブルなど多様なリスクが伴います。対人と対物ともに基準以上の損害賠償保険に加入しておくと、依頼者からの信頼も得られます。