どのようなサービスか
特定施設入所者生活介護は、厚生省の定めた一定の基準を満たして地方自治体から事業指定を受けた「特定施設」で提供する介護サービスです。要介護1~5の利用者に提供します。
1.特定施設の種類
一般的に老人ホームと呼ばれている施設には、国の補助金を受けて設立されている公的施設と、主に民間企業が運営している民間施設があります。特定施設は補助金によって設立された公的施設です。
特定施設には、介護付き老人ホーム、介護型ケアハウス、養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅があります。
老人ホームとケアハウスの大きな違いは利用者の介護度です。
老人ホームには認知症や寝たきりなど介護度の高い要介護者が終身利用できますが、一般型のケアハウスは、原則として介護度が高く医療に依存する要介護者は入居できません。ただし、介護型ケアハウスであれば、入居後に介護度が高くなっても専門の従業員による介護サービスを利用できます。
2.特定施設で提供するサービス
特定施設では、介護サービスと生活支援サービスの2つのサービスを提供します。
介護サービスでは、食事、入浴、排泄、移動など日常生活の全般に渡るサービスを24時間体制で提供します。生活支援サービスとして提供されるのは、掃除、洗濯、買い物の代行などです。また、介護と生活支援のほかに、リハビリテーション、服薬の管理、健康や栄養に関するアドバイスなどのサービスを提供しています。
要介護者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を高めるために、さまざまな観点から特定施設入所者生活介護のサービス拡充が実施されるようになりました。
3.特定施設の基準
要介護者が安心かつ安全に施設を利用できるようにするために、特定施設入所者生活介護の開業時には、人員・設備・運営の3つの側面から基準を満たさなければなりません。
人員としては、管理者、生活相談員、介護職員または看護職員の基準が定められ、兼任可能な人員にケアマネージャーや機能訓練指導員があります。生活指導員や介護職員または看護職員、ケアマネージャーは利用者に対して人員の基準が定められています。
業界動向やトレンドについて
2021年の改定により、勤続年数やサービスの質の向上に取り組んでいる施設に対するサービス提供体制強化の加算が見直されました。業界全体でスタッフの定着率を高め、品質の高いサービスを実施できるような環境整備をめざしています。
また、入所者全員に見守り機器を使用、職員全員がインカム使用、介護記録ソフトやスマートフォンの使用などテクノロジーの活用に対して、介護福祉士の配置要件の緩和を推進していることも注目すべきトレンドです。
特定施設入居者生活介護の開業がおすすめの方
特定施設入居者生活介護の施設やサービスは、補助金を利用します。関連する制度を含めて、介護業界全般について熟知している経営者が理想です。経営にあたっては、常にサービスの改善とスタッフの教育できる管理能力が求められます。
成功のポイントは?
特定入所者生活介護の事業を成功させるポイントとして、他の施設との差別化が重要になります。スタッフの能力向上により高いサービス品質を維持して、利用者の満足度を保つことが正攻法の差別化といえるでしょう。
介護関連の職員と生活支援関連の職員のサービスを提供する人員の比率を変えることも差別化戦略のひとつです。生活支援関連の人員比率を高くすることによって、きめ細かい生活支援が可能になり、介護中心の施設と差別化できます。
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