■どんなモデルか
利便性を追求する合い鍵業・靴修理・靴磨きサービスとは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①利便性が高い立地で対応
合い鍵業は合い鍵作成を主とし、立地はショッピングセンターなど人が集まる場所となります。
靴修理は店舗に持ち込むものが多く、靴磨きも今では路上でなく店舗が一般的です。持ち込まれた靴を修理する、磨くサービスとなります。こちらも駅前など人出があるところで提供する形です。
見込み客が通勤や買い物等のついでに寄れる場所にあることがポイントです。
②関連サービスで売上アップ
合い鍵業や靴修理サービスは、他の関連サービスとして提供されることが多いです。
ある大手靴修理事業者では、靴修理だけでなく、カバン修理、時計修理、スマホ修理まで行っています。生活者のニーズに応じたメニューを提供しています。
他の生活関連サービスを提供することで売上を上げるモデルとも言えます。
③省スペースで効率的な経営
基本的な売上モデルは、1件当たり単価×受付件数となります。立地が良いところでは地代が高くなるため、省スペースで、かつ常駐スタッフも若干名で回すことがポイントとなります。
合い鍵、靴修理、靴磨きいずれにおいても、簡単なものであれば料金は安くなるため、多くの件数を回せる工夫が必要です。高難易度や技術的に難しいものは、件数自体が少なくなるため、このバランスが重要となるでしょう。
■業界動向やトレンドについて
合い鍵業の明確なデータは見つかりません。参考として、錠や鍵の出荷額は、平成24年経済センサスでは672億円規模で、平成28年経済センサスでは774億円となっています。
靴修理も明確なデータはないものの、2008年頃で200億円程度の規模はあるようです。
靴磨きサービスも明確なデータはなく、個人や零細店舗が多い印象を受けます。
参考までに、靴小売業界は近年で4500億円規模ですが、縮小傾向にあります。スニーカー等は伸びているものの、修理や磨くのは革靴等が多いため、革靴等を持つユーザーにどう興味を持ってもらうかがポイントとなります。
■合い鍵業・靴修理・靴磨きサービスがおすすめの方
合い鍵業・靴修理・靴磨きサービスは、以下のような方におすすめです。
・好立地や人手が集まる場所を所有するオーナー
・利便性が高いサービスを提供したい方
・社会のトレンドに応じて臨機応変に対応出来る方
合い鍵や靴修理等の市場性だけでは厳しいと考えられます。
その上で、好立地を持つオーナーの選択肢として考えられますし、他には、スマホ修理など社会のトレンドに応じたサービスも増えています。
利便性が高いサービスを提供することに関心が高い方におすすめです。
■成功のポイントは?
最後に、合い鍵業・靴修理・靴磨きサービスの成功ポイントを押さえておきます。
①スマートロックなどトレンド対応
電子錠と呼ばれるスマートロック自体に対して、アナログな鍵だけにこだわるのでなく、トレンドに応じた対応が必要となります。技術やメーカー対応など、生活者のニーズを見きわめることがポイントとなります。
合い鍵作成ビジネスと捉えるとスマートロック自体は売上に反すると考えがちですが、お客様への提案ということを考えると理に適っています。
②靴修理サービスは首都圏に集中
好立地な場所は既に抑えられており、駅前やショッピングセンターの新規需要を見逃さないようにします。人口減少社会でありながら、再開発としてコンパクトシティとしての街の変化はまだまだあるからです。
ある調査では、靴修理サービスは東京都、大阪府、神奈川県など人口が集まるエリアに集中していました。リアル店舗では好立地が重要となることを抑えましょう。
③靴磨きはブランディングがポイント
靴磨きサービス自体はまだまだ路上イメージが強いです。その代わり、経営者や講師など人前に立つ、服装や見られ方に気を使う人へのニーズは高いと言えます。
靴を磨くだけではなく、お客さまとの会話、どういったお客さま向けに提供するか、お店の世界観などを追求し、ブランディングをして唯一のポジションを作りましょう。