■どんなモデルか
モノへのこだわりをサポートする家具修理サービスは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①家具の状態を見極め修理
家具メーカーなどは自社製品の販売後のアフターサービスとして、家具修理サービスを行っています。大手家具メーカーから、中小家具メーカーが自社製品の修理を対応しています。
破損状況や利用状態から目安の価格を提示しつつ、基本的には見積もりした後、修理するという流れとなります。一概に言えませんが、物が大きくなればなるほど作業期間がかかると言えます。
②家具修理の価格帯は幅がある
家具であるタンスや椅子、ソファーやベッド等は使用年数が長いです。これらは使い捨てではなく、修理して使うという形を取っているため、家具小売店舗を始め修理サービスが充実しています。
家具自体の価格帯は一般的に高額なため、捨てるよりもまずは修理できないかと考える人は一定数いると考えられます。価格帯としては、1万円以下の簡易な修理から、高級家具や大きなサイズになると10万円を超えています。
③修理はお客さまの満足度で決まる
基本的に修理サービスとしては、革の張り直しやクッションの詰め替えなどパターンは決まってきます。ただし、修繕程度が異なるため、毎回の対応が肝心となります。
価格帯が高い家具であればお客さまの期待値も高まるため、それらの要望に応えることがポイントとなります。また、家具修繕の技術も高いものが求められるでしょう。
■業界動向やトレンドについて
平成24年経済センサス活動調査では、事業所数が186あり、売上金額は55億円となっています。平成28年の同調査では、事業所数が161、売上金額は27億円と半減しています。
これだけ見ると家具修理業は厳しい傾向にあると言えます。
一方で、家具小売業は、平成28年経済センサスでは年間商品販売額1.1兆円ほどあり、ピークの2兆円規模から半減しているとはいえ昨今は1.5兆円規模と回復傾向にあります。
■家具修理サービスがおすすめの方
家具修理サービスがおすすめの方は、以下の通りです。
・家具修理の技術や職人気質がある方
・ものづくり経験やモノ自体を取り扱うのが好きな方
・一点ものであることを踏まえたサービス対応が出来る方
家具修理の技術は高いものが必要といえます。また作業期間は目安として数週間程度はかかると考えられることから、じっくりと取り組んでお客さまに満足頂くことが重要となります。
■成功のポイントは?
家具修理サービスの成功ポイントを押さえておきます。
①依頼が集まる集客の仕組みを作る
大手家具メーカーや家具小売店で購入されたお客さまは、アフターサービスとして補修サービスを使われやすいです。よって、家具購入客に対してどのようにアプローチするかがポイントとなります。
生活サービスのプラットフォームを活用し、実績を積み上げてさらにリピートされる仕組みを作ることが重要です。
②ポジショニングを決める
高級家具やヴィンテージ家具など付加価値が高いもの、藤など素材特化したもの、椅子や机など分類特化など様々な形が考えられます。
例えば、地域のタンス店であれば、自店購入でなく、他店購入でも受け付けるという手があります。こういった機会によってサービスが良ければ自社顧客となるからです。
③環境配慮は中長期的なトレンド
昨今、環境負荷軽減は世界的なトレンドとなっています。一時期は使い捨てが当たり前でしたが、モノを直して使い続けるというのが見直されています。
ある修理サービスは、他店などで相談をしたが断られて困ってしまったなど技術的に難しいものを受け付けています。愛着があるからこそ一生続けたいというニーズは手堅くあると考えられます。