■どんなモデルか
3タイプのユーザーが混在する家具・家電レンタル業とは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①試してから確実なものを購入できる
家具・家電レンタル業における3つのタイプのユーザーの1番目は、「試してから確実なものを購入したい」層です。
この層は、最終的には購入を予定しているのですが、 まずはサイズ感や使い勝手をレンタルで試してみたいと考えています。 「これ、いいでしょう?1ヵ月だけ借りてみたんだけど‥‥」と、自宅でのデモンストレーションにより、恋人や配偶者に購入をねだる人もいます。
②いろいろ交換できる
3つのタイプのユーザーの2番目は、「いろいろ交換したい」層です。この層は、家具・家電に『こだわりのある層』と『こだわりのない層』に分かれます。
『こだわりのある層』は、流行のデザイン性の高い家具・家電を、レンタルでとっかえ引っ換えして利用したいと考えています。
一方、『こだわりのない層』は、引っ越しの多い転勤族など、住居に応じて異なった家具・家電を必要としています。
③初期費用ゼロで手に入る
3つのタイプのユーザーの3番目は、「一括で買うお金がない」層です。 この層は、本来であれば購入したいのですが、そのお金がなく、レンタルを「実質的なローン」として利用しています。
■業界動向やトレンドについて
家具・家電業界はおよそ10兆円の市場規模。そのうちレンタルは数%の市場規模といわれ、規模・伸びしろとも十分です。リモートワークやフリーランスの普及による「オフィスの解体」と「自宅のオフィス化」は、家具・家電レンタル業の追い風となっています。
可処分所得が減少傾向にある日本の経済環境も、初期費用ゼロで手に入るレンタルは、消費者に強くアピールしています。レンタルによるリサイクルは、昨今高まりつつあるエコ志向にも合致します。
■家具・家電レンタル業がおすすめの方
家具・家電レンタル業のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・不動産会社を経営されている方
家具・家電レンタルの利用が最も検討されやすいのが、引っ越しのタイミングです。あなたが不動産会社を経営しているのであれば、クロスセルによるシナジーが期待できます。
・消費者金融を経営されている方
家具・家電を一括で買うお金がない層は、さまざまな人生・生活の局面においてファイナンス面のサポートを必要とします。あなたが消費者金融を経営しているのであれば、クロスセルによるシナジーが期待できます。
・家具製造会社を経営されている方
「家具をいろいろ交換したい」層のニーズに応えるには、耐久性が高く、修繕しやすいレンタル専用の家具が必要となります。あなたが家具製造会社を経営されているのであれば、そうした開発はお手のものでしょう。
その他、『リサイクルショップ』や『引っ越し会社』も、シナジーが期待できそうです。
■成功のポイントは?
家具・家電レンタル業のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①サービス内容の見える化
前述のとおり、家具・家電レンタル業には3つのタイプのユーザーが混在しますが、レンタル業各社は「どのタイプのユーザーをターゲットにしたサービスか?」明確ではありません。サービスの『対象者』と『ウリ』を明確に打ち出せば、それだけで差別化要因となります。「一括価格」と「レンタル価格」の差額を判断材料として提供すれば、なおよろこばれるでしょう。
②リコメンドとアフターサービスの充実
「試してから確実なものを購入したい」層は、リコメンドとアフターサービスが適切であれば、必ずしもレンタルでなくてもよい、と考えているはずです。リコメンドとアフターサービスを充実させ、より柔軟なオファーが提供できるよう心がけましょう。
③買い手の影響力の行使
「一括で買うお金がない」層は、価格弾力性がきわめて高くなっています。人気のある家具・家電を一括購入し、低コスト化に努めるべきです。物流費も大切な改善ポイントとなります。
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