■どんなモデルか
使いたい時に借りられるレンタルブティック(貸衣装)は、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①撮影スタジオなどと併設も多い
レンタルブティック(貸衣装)は、パーティーやイベントなどで使う衣装を顧客に貸出すビジネスです。婚礼用などのフォーマルを始め、カジュアルなパーティーなどの用途もあります。
撮影スタジオや着物小売店など衣装を取り扱うことが多い事業者が併設することが多いです。
②利用日数やセットプランでの提供
衣装レンタルとしては、利用1回あたり2泊3日程度が想定されます。セットプランなどは小物などが付いてきます。
衣装により費用は異なりますが、振り袖などフォーマルは高く、カジュアルは安くなると言えます。セットプランなどはユーザーの利用シーンに応じたものが多いです。
③ネットレンタルは競争激化
写真館やスタジオでは近隣のニーズを拾えないためか、ネットレンタルを展開する事業者も見受けられます。これらのネットレンタルでは、宅配センターや在庫管理、クリーニングなどの品質管理が問われます。
ネットレンタルでの競合は借り放題サービスなども出てきているため、衣装数やブランドなどで差別化をすることが求められます。
■業界動向やトレンドについて
レンタルブティックの明確な統計はありませんでした。
関連市場として、着物市場は、きものと宝飾社の調べで2007年4,700億円をピークに、2020年では2780億円まで減少しています。
サブスクリプションサービスとして、服のレンタルを手掛けるエアークロゼットでは、会員数が45万人を突破しており成長しています。これらのファンションレンタルの満足度は高く、サブスク型とどう棲み分けられるかが注目です。
全国の貸衣装はスタジオなど含め8,000件から9,000件の規模感があると言えます。スタジオや着物店の併設が多く、ブライダル市場等関連市場が成長しづらいと考えると、成長は厳しい印象です。
■レンタルブティック(貸衣装)がおすすめの方
レンタルブティック(貸衣装)のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
小売店など既に展開している事業がある方
サブスク型など新たなサービスアイデアがある方
クリーニングなど衣装扱い経験がある方
レンタルブティックの成長は見込みづらいため、衣装を扱っていれば、貸衣装として試してみるのはありでしょう。例えば、レンタルと合わせてユーズド販売や新品販売という掛け算も可能です。
サブスク型などとの棲み分けをどうするかも課題ですが、それらのレンタル需要をどう掴むかがポイントとなりそうです。
■成功のポイントは?
レンタルブティック(貸衣装)のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①スタジオ併設などで総合サービス化する
フォトスタジオなどの併設が多いという点から、レンタル衣装+撮影という総合的なサービス提供が鍵となります。逆に、スタジオ店に対して衣装提供するなど、他事業者との提携をするなどの戦略がポイントとなります。
②無人店舗という新しい形態もあり
レンタルブティックは有人店舗の場合は、コーディネートやアドバイスが受けられるのが魅力です。一方、無人店舗でお客が自身で試着し、後で返却するという新たな事業者も出てきました。
無人店舗では、人がいないため人件費等が節約できるため、レンタル衣装サービスの相場より相当抑えられます。時代に合ったサービスを提供するのが重要でしょう。
③サブスク型との棲み分けをする
形態は異なるとはいえ、ファッションサブスク型では月1万円以下のサービスが多いです。この価格帯やサービスとどう棲み分けられるかがポイントとなります。
ネットレンタルは先に示した通り、競争が激しいと考えられるため、試着に対して付加価値をつけるサービスや他の関連サービスをつけることでサービスを磨く必要があります。