■ハイヤー・タクシー会社のビジネスモデル
1.流動顧客のタクシー
タクシーは流動顧客の利用が特徴の運送サービスです。タクシー業務では、流しや無線、車庫待ちの営業形態が認められています。運賃は車内に設置したメーターによって運送距離を測り、降車時に支払われるのが一般的です。
2.完全予約制のハイヤー
ハイヤーはタクシーと異なり完全予約制です。タクシーより高級である場合が多く、企業の役員や要人、特別なパーティーや冠婚葬祭の移動手段などに用いられます。費用は時間単位である場合と、月極や年間契約により支払われる場合があります。
■ハイヤー・タクシー会社の取り巻く現状
1.深刻な人材不足
タクシー業界においては、深刻な人材不足が問題視されています。特に若い人材の不足が顕著であり、タクシー運転手の平均年齢は60歳前後と高齢化しています。
最近では、高齢者の免許返納の流れもあり、タクシー業界が高齢化すると運転手がどんどんいなくなってしまうことが懸念されます。若い人材不足の背景には、タクシー運転手に対するマイナスイメージがあるものと思われます。
2.市場全体としては減少傾向
ハイヤー・タクシー業界は、2002年の改正道路運送法の施行により新規参入が容易になりました。そのためその時期を境に事業者数が増え、運賃の値下げ競争が続いています。一方で、景気の長期低迷により客数は減り続けているという厳しい状況にあります。市場全体の営業収入は1991年度をピークに、減少傾向を続けています。
3.福祉業界でのニーズの増加
ハイヤー・タクシー業界の全体市場では売り上げが低迷している中、高齢化に伴い福祉業界でのニーズは増加しています。通常のタクシー需要が少ない地方を中心に、高齢者向けの乗り合いタクシーや介護タクシー、福祉タクシーなどの需要が高まっています。
福祉輸送サービスについては、1989年で337の事業者が参入していましたが、2002年で1,594、2010年度で9,446と急増を見せています。
■おすすめの方
ハイヤー・タクシー会社がおすすめの方は、以下の通りです。
・細やかなサービスができる
・運転技術がある
・福祉の分野に関心がある
上記のような方々は、従来のハイヤー・タクシービジネスに付加価値をもたらせられる可能性があり、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.福祉分野に特化したビジネスモデル
現状タクシー業界において、最も注目すべきポイントは福祉分野です。高齢者の多い地域においては、病院や買い物の送迎でポイントサービスや乗合システムの導入などの特化プランを設けることで、一定のニーズに応えることができるでしょう。
また、この分野に対応できるシステム開発を行うことも重要になるでしょう。
2.ハイクラスニーズに特化したハイヤービジネス
ハイヤービジネスは、ハイクラスニーズに特化することで新たなビジネスモデルの可能性を広げることができます。例えば、企業に向けてハイヤーを会議室として利用してもらう、などのアイディアがあります。
また、インスタ映えを好む若い世代に向け貸切りリムジンのパーティープランなどの企画もできます。ハイヤービジネスは、単なる輸送手段以上の付加価値をつけることで高単価な価格設定が可能です。
3.若者を取り込む採用方法
タクシー・ハイヤー業界では、若い人を運転手として採用することが急務になっています。
そこで、成功するためには若い人を運転手として取り込む採用戦略が重要です。
そのためには、新卒でも入社してくれるように幹部を目指すことができるキャリアステップを用意することや、SNSを使って採用戦略を実施していくことが必要になっていくでしょう。
参考:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/service37.html
https://toyokeizai.net/articles/-/422664