■どんなモデルか
スマホが変えた高齢者見守りサービスとは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①機器設置
高齢者見守りサービスは、同居していない高齢者(多くの場合、親)の見守りを代行するサービスです。
プロセスは①機器(センサーまたはカメラ)の設置②見守り③有事の際の駆けつけの3つからなります。
高齢者宅にセンサーまたはカメラを設置し、依頼者はスマホで見守り状況を確認します。
②見守り
見守りは「センサー」または「カメラ」によって行います。
センサーは人の動きや室温、家電の使用状況によって異常を検知し、カメラは室内の様子を人間がモニターします。
カメラによるモニタリングは、依頼者自身が行う場合と、業者が代行する場合があります。
③駆けつけ
有事の際の駆けつけも、依頼者自身が行う場合と、業者が代行する場合があります。
「カメラによるモニタリング」と「有事の際の駆けつけ」の双方を依頼者自身が行う場合、機器設置のみが業者の収益ポイントとなります。
■業界動向やトレンドについて
見守りの対象となる高齢者は、現在の団塊世代800万人に加え、10年後には団塊ジュニア800万人が加わります。
人口減の日本にあって今後も市場規模の拡大が確実な業界です。
但し、スマホを利用したセルフ監視の普及により、低価格化が進んでいます。
■高齢者見守りサービスがおすすめの方
高齢者見守りサービスのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・パソコンショップを経営されている方
カメラによるモニタリングを依頼者自身が行う場合、スマートフォンアプリを使って室内の様子をリアルタイム動画で確認します。
貴店のスマホグッズ売り場に、『高齢者見守りセット』の見本を置けば、「こんなにカンタンに親の見守りができるのか」と驚かれることでしょう。
・電子機器メーカーを経営されている方
センサーで見守り宅の異常を検知する場合は、監視作業が自動化されます。人の手間がなくなる分、必要な機器は複雑に。
高感度センサーを安価に開発できるあなたの出番です。大手警備会社との提携や海外輸出の可能性もある、有望な分野です。
・警備会社を経営されている方
有事の際の駆けつけは、既存の警備網がそのまま流用できます。
利用者の「いざというときだけ利用したい」というわがままなニーズに応えうる料金体系の提示が必要です。
■成功のポイントは?
高齢者見守りサービスのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①DIY感覚の楽しみ
カメラやセンサーを利用者自身が設置する場合は、DIY(日曜大工)に似てきます。
依頼者には機器をカスタマイズする楽しみを提供しましょう。
趣味には財布のひももゆるむものです。
②介護保険・行政との棲み分け
高齢者の見守りは、介護保険や行政が提供するサービスとバッティングします。
依頼者のニーズとその解決方法はケースバイケース。
カスタマーサクセスの視点からベストなソリューションを提案しましょう。
③プライバシーに配慮
カメラによるモニタリングを他人に依頼することは、プライバシーの観点から抵抗を示す依頼者は多くいらっしゃいます。
見守られる高齢者方にとっても、カメラの存在がストレスになることも。セルフ監視やセンサーの利用を提案しましょう。