■どんなモデルか
トリミングを中心にサービス展開するペット美容院は、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①トリミング以外の併設サービスが基本
ペットサロンは、ペットのトリミングとしてカットや爪切り、様々な部位を仕上げるサービスです。
トリミング単独だけを行う事業者は少なく、動物取扱業者の保管業種として、ペットホテル、ペットシッターも対象のため同時に展開するケースがほとんどです。
関連サービスを提供することで、メニューを増やし、お客さまの満足度を上げていくのが基本となります。
②大手事業者もあるが、個人店舗も多い
大手事業者はほとんどがペットショップなど生体販売と併設したペットサロンと言えます。
一方で個人や零細事業者であれば、ペットショップなど生体販売は行わず、トリミングやペットホテルなどを併設して提供しています。
トリミングの技術があるスタッフを確保し、少数で回していく個人店舗は地域密着型で個性を出していく形となります。
③専門スタッフで総合力を出す
中小店舗であれば、オーナーがトリマーを雇い指導や教育を行う。獣医師などを入れ健康管理や診察が出来る体制を整える。
しつけや訓練などであれば専門性の高いシッターを揃えるなど、ペットの全てに対応することは一人オーナーでは困難なので、役割分担で総合力を高めていると考えられます。
■業界動向やトレンドについて
ペット美容院の規模感としては、環境省の第一種動物取扱業者で保管業種の登録数は令和2年で2.8万件となり、過去10年で1万件程度増加しています。
日本ペットサロン協会は、ペットサロン事業者が加盟する団体で加盟店舗は796店舗となっています。
ペット業界市場は増加傾向にあるものの、今後ペット美容院の競争激化、飽和などから厳しい環境も予想されます。
■ペット美容院がおすすめの方
ペット美容院のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・トリマーなどスキルを持っている方
・トリミングやペットの健康などペットケアに注力したい方
・ペットホテルや関連サービスで総合力を出せる方
ペット美容院は、トリミング+ペットホテルなど、トリミングだけで成立しているところは少ないようです。獣医師を常駐した健康管理、ペットホテルの付加価値を上げるなど総合力で戦う必要があります。
■成功のポイントは?
ペット美容院のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①いつでも相談出来る体制づくりを行う
ペット美容院に参入する場合、ペットトリマーなどトリミングスキルがあるか、訓練や獣医師など他のペット対応スキルが求められます。
総合力で戦うというところでは、ペットの駆け込み寺として対応できる地域密着店は一つのアイデアと言えます。
②見過ごしがちなニーズを見つける
あるトリミングサロンでは、お客さまからのヒアリングを非常に丁寧に行うことで、顧客満足度を上げています。
また、大型犬などはサイズから嫌うサロンも多くあることを逆手にとり、大型犬が入るドッグバスを設置して、お客の心を掴んでいるようです。
他のサロンと競合しお客を取り合っても消耗戦となりやすく、こういった見過ごされがちなニーズを見逃さないことが勝因となります。
③パックサービスなど独自のサービスを提供する
ペットサロンとしては、成熟化している業界なので、人間の美容院なども参考にしても面白いかもしれません。
つまり、ペットはもちろん飼い主との会話や情報交換、飼い方やしつけの教室を行うなどです。他にもカットで気付いた点をフィードバックするなどもポイントです。
泥パックなど人間が行うことをペットサロンでも行われており、ペットシャンプーなども肌に優しい天然素材で差別化するなども面白いアピールとなりそうです。