■どんなモデルか
最期のお見送りをサポートするペット葬祭業は、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①火葬場型か移動型
ペット葬祭業は、ペットが亡くなった後に、火葬などを行いペットを供養するサービス業です。
大きく事業として、ペット霊園等の火葬場を用いるか、移動火葬車と呼ばれる移動型となります。
ペット葬祭での必要な資格等はないと言えますが、移動型での留意は、自治体により移動火葬車許可が必要なエリアもある点です。
②引取りのみか立ち会いをするか
ペットを火葬するまでは共通ですが、その後お骨上げなど返骨をどうするかで分かれます。
基本的に引取ってもらい火葬であれば最も安く、個別対応が多ければ価格が上がっていきます。
費用感はシンプルなもので1万円程度、家族立会いや返骨などでは2から3万円までが相場のようです。
最期の思い出ということで、なるべく費用をかけたいという飼い主は多いようです。
③参入障壁は低い
動物取扱業の登録ではペット火葬は対象ではないため、移動火葬車を用いる場合は自治体の許可に留意がいる程度です。
参入は容易ですが、ペットブームに応じた事件によりペット葬儀事業者への信頼性が問われています。
民間資格等や独自の基準を設けて、信頼性を担保することが必須となっています。
■業界動向やトレンドについて
ペット葬祭業の明確な統計は見つかりません。
参考となるのは、ペット飼育数で犬猫は1850万頭飼育されており、寿命が10年から15年と考えると、一定のペット葬儀ニーズがあると考えられます。
2018年ペット霊園協会によれば、移動火葬車を含めたペット霊園は全国で800ほどあるようです。
ペット業界自体の成長余地はあるものの、ペット葬祭自体は競合も多く、開業して取り組めるのは移動火葬車での参入と考えられそうです。
■ペット葬祭業がおすすめの方
・ペット葬祭業のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・ペットなどをめとった経験がある方
・ペットの最期を飼い主と共感出来る方
・サービス業としてペットの扱いに責任が持てる方
ペット葬祭業は、ペットの最期をめとるということで、ペットの最期に対して、責任を持って対応できる方が向いているでしょう。
サービス業の経験や他のペット関連サービス従事者であればよりサービスの質が高まるといえます。
■成功のポイントは?
ペット葬祭業のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①ペット火葬車での参入余地を見極める
ペット霊園やペット火葬場を設けることは多大なコストがかかると考えられます。よって、参入としては火葬車での参入が見込めます。
この火葬車が活躍できるエリアやニーズがどこにあるかを見極めることが重要でしょう。都心のニーズが高いと考えられるので、移動エリア範囲に入れることをおすすめします。
②飼い主ニーズを開拓する
ペット葬祭業事業者では、シンプルな引き取りで火葬のみならば1万円程度で済みます。それ以上は、個別の対応となり2,3万円などと高くなっていきます。
さらに単価やサービスの質を上げるには、最期のお見送りということで、ペットの思い出写真を飾ったり、納骨ペンダントのようなグッズを作ったりなどの工夫が必要です。
③信頼と実績を作る
民間資格を受講しサービスの質を証明し、実績を積み重ねることでお客さまからの信頼を積み上げることが必要です。
とくに移動火葬車での参入では自社の存在をアピールすることがポイントとなります。飼い主は近隣エリアで対応を望む人も多いため、そのニーズを汲み取れるかが鍵となります。