■どんなモデルか
安心して預けられるペットホテルは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①サロン併設型が多い
ペットホテルは、飼い主のペットを預かり宿泊など一定期間預かるサービスです。
犬などはサイズにより代わりますが、一泊で3000円から5000円が相場と言えそうです。
ペットサロンと併設することも多く、宿泊だけでなく、トリミングやグルーミング、健康管理などのサービスが伴うことも多いです。
②サロンより少ないペットホテル
ペットホテル等の検索ポータルサイトでは、ペットホテル数は数千件となっており、ペットサロン等よりは少ないと考えられます。
おそらくペットホテルでは宿泊や預かりというのがメインとなるため、頭数の限界がどうしてもあります。サロンも限界はありますが、まだ改善の余地があるといえるからです。
③居住地近くか、駅前等の立地で決まる
ペットホテルを自宅で開業するケースもあるようですが、その場合でも飼い主の居住地から近くにあることがポイントです。
飼い主の利用用途次第ですが、多くは旅行や急な預け入れなどと考えられ、駅前等の交通機関や比較的アクセスしやすい場所にあることが求められます。
■業界動向やトレンドについて
ペットホテルは、環境省の第一種動物取扱業者で保管業種の登録数は令和2年で2.8万件となり、過去10年で1万件程度増加しています。これらはペット美容院やペットシッターと同様のため、保管業種を活用していると言えます。
ペットにかける費用として、ペットホテルやペットシッターはコロナ禍前の2018年から2019年は犬であれば8%程度伸びており約8300円の年間支出でした。トリミング等が42,000円で、市場規模はトリミングの2割程度と考えられます。
■ペットホテルがおすすめの方
ペットホテルのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・ペットシッター等ペット飼育経験がある方
・シッターやトリミングなど保管業種を活かしたい方
・居住地エリアや駅前等好立地で展開できる方
ペットホテル単独の参入はやや厳しいと考えられます。
一方でトリミング等ペットサロンの2割程度の市場規模感はあるため、急な用事で対応したいなど飼い主ニーズを踏まえられる方におすすめと言えます。
■成功のポイントは?
ペットホテルのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①近くにあり利便性が高いこと
飼い主心理からすると、飼い主の居住地に近いエリアをまず検索します。そこで安心や信頼が出来そうな実績があるところをまず選ぶはずです。
他には最寄り駅など公共交通機関でアクセスしやすいなど寄り易い場所です。旅行先なども考えられますが、まずは預けたいというニーズが強いのではないかと考えられます。
②展開戦略を考える
単身世帯などにおいては旅行や帰省などで長期間家を離れる場合のニーズがあります。2人以上のファミリー世帯でも、家族に世話をしてもらうというのは負担となるため、ニーズが見込めます。
参入した場合に、1店舗で小さく回すか、エリアである程度出店するのか、シッターやトリミングなど関連サービスを入れるかなどの戦略を立てることがポイントです。
③競合やトレンドを意識する
ペット業界だけがライバルとは言えません。例えば、ペットを飼いたい人で飼わない人の阻害要因は、世話が大変だったり、そもそも賃貸住宅等で飼えなかったりする人も多いからです。
潜在的にこれらの層が飼うとなると、ペットロボットやペットレンタルなどの体験サービスも見込めます。
生き物のペットと同様ではなくても、癒やしや家族ということの本質は似ているからです。
こういったトレンドを見逃さないことが重要でしょう。