■どんなモデルか
犬・猫の美容師ペットトリマーは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①資格は必須ではないが2年程度の訓練必要
ペットトリマーはペットブームに応じて人気の仕事と言えます。
ペットの美容師として、カットするだけでなく、爪切りなどのグルーミング、体調チェックも行います。
国家資格等はなく、民間資格があるのみですが専門学校等での訓練などが必要と言えるでしょう。
②ペットサロン等でペットの受け入れ
ペットショップやペットサロンなどがペットトリマーの働き場所ですが、それ以外にはペットホテルや動物病院などが挙げられます。
飼い主からペットを受け入れ、ペットの性格や体質などのヒアリングをし、ペットとのコミュニケーションをしていくことが求められます。
③犬種によっては300種類のカットあり
ブームとなれば対応する犬種も増え技術が求められます。
プードルのカットは300種類もあると言われ、飼い主の希望とペットの体質、トリマーの技術差が顕著となります。
噛み癖がある犬の対応、大型犬などは数十キロになるため体力勝負の面もあります。
■業界動向やトレンドについて
一般社団法人ジャパンケネルクラブでの資格保有者を見ると、2000年度から始まり2007年度では15,946名がピークで、2020年度は15,619名と安定しています。
参考までに、平成27年の国勢調査では、ペットトリマーを含むサービス職業従事者が約36.5万人となっています。
ペット業界のトレンドは、一頭あたりを大切に家族のように暮らすという流れもあるため、カットなどのサービスは今後さらに伸びていくと考えられます。
オシャレだけでなく、健康管理や体質チェックという点があることも見逃せません。
一般社団法人ペットフード協会の調べでは、2020年の犬に関する医療費等を含めた支出額は1ヶ月あたり12,020円となっており、昨年11,562円から増えています。
■ペットトリマーがおすすめの方
ペットトリマーのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・ペットや動物などとのコミュニケーションが好きな方
・カットなど手先が器用で、技術習得に熱心な方
・飼い主など人とのコミュニケーションも得意な方
ペットと関わる時間が多いと思われますが、飼い主の要望に応えるなどのコミュニケーションが求められます。
ペットから噛まれる、大型犬などは数十キロあるなど、体力もある程度ある方におすすめです。
■成功のポイントは?
ペットトリマーのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①訓練で技術を身につけること
ペットトリマーの多くが専門学校などで専門的なスキルを学んで仕事を得ています。
独立を想定すると、ペットショップなどの現場でトリミング自体を数年は経験した上で動くべきといえます。
ペットのトレンドにある程度応じる必要はありますが、技術習得の訓練は欠かせないといえます。
②技術プラスサービスでリピーターをつくる
ペット自体のカットの満足度は、ペットではなく飼い主にあると言えます。ヒアリングから適切な提案をし、仕上げること。その評価によっては、利用者がリピートするといえます。
例えば、綺麗でオシャレなカットがされた犬がペットコミュニティで話題になるなど、そこから口コミが広がることもありそうです。飼い主の満足度を高める工夫が必要でしょう。
③単価アップできる付加価値をつける
トリミング料金相場は子犬で5000円から、サイズによっては1万円前後までとなるため、これらのベース料金に合わせて、オプションや関連サービス作り売上を増やしていくことがポイントになります。
回転率を意識すると、1頭あたり施術が1時間から3時間であれば、小型犬に特化したり、カットが短くしやすいものに集中したりするなど戦略が必要となりそうです。関連グッズや独自のサービスを磨くのもありです。