■どんなモデルか
ペット周辺サービスを取り込むペットショップとは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①ペットを仕入れ販売するのが基本
ペットショップビジネスは、ペット生体を仕入れ店頭等で販売するのが基本的な流れです。
犬猫でいえば、ブリーダーなど繁殖業者やオークションから仕入れる、卸業者や輸入業者から仕入れる形となります。
現在ペットショップは、ホームセンター等大型量販店でも多く見られる形となっています。
②ペット関連ビジネスが伸長
ペット業界規模は2019年度で1.57兆円規模あります。
これはペット生体でなく、ペットフードやペット用品、ペット医療などペット関連ビジネスが伸びていると考えられます。
ペット生体を販売自体は同業界の約50%を占めることから大きな市場ですが、単体で売るのでなく飼い主とペット向けの関連サービスの充実の結果と言えそうです。
③動物愛護法など法改正に留意
2021年に出生数が一定数経過していない子犬や子猫のペット販売が原則禁止となっています。これらは殺処分が社会課題となっており、その対応施策といえます。
仕入れ先であるブリーダーの選別はもちろんですが、法改正など大きな動きに留意する必要があります。動物取扱業として自治体への登録は義務付けられています。
■業界動向やトレンドについて
矢野経済研究所の調べでは、ペット業界市場規模は2015年度1.47兆円から2019年度では1.57兆円と増加傾向にあります。
一方、一般社団法人ペットフード協会の調べでは、犬猫の飼育頭数は2016年約1860万頭から2020年で約1813万頭となり微減傾向にあります。
これらから、ペット関連ビジネスとして、ペットフードやペット用品、ペット医療などの関連サービスにより、ペット一頭あたりの費用が増加していると考えられます。
例えば、ペット住宅やペット洋服、トリミングやペット葬儀などです。
環境省のデータでは、ペットの殺処分等は近年減少傾向で3.3万匹となっています。一方、飼い主からの返還数や譲渡数などが増えています。今後の法改正などでより事業者の対応が厳しくなるかもしれません。
■ペットショップがおすすめの方
ペット周辺サービスを取り込むペットショップは、以下のような方におすすめです。
・ペットや動物などの生育経験がある方
・ペットを家族として大切に出来る顧客目線がある方
・ペット関連などのビジネスアイデアがある方
ペット生体販売は一定の安定はあるものの、ペットショップでの生体販売は大手事業者が強く参入は厳しい傾向にあります。
一方で、ペット業界としてはペット関連サービスが今後も伸びていくと考えられるので、それに合わせた対応が出来る方におすすめです。
■成功のポイントは?
最後に、ペット周辺サービスを取り込むペットショップの成功ポイントを押さえておきます。
①顧客目線での見せ方
ペットショップでは単に犬猫をケージに入れ販売するのがまだまだ一般的でしょう。一方で、動物園のように触れ合って購入出来る動物園型というペットショップもあるようです。
ペットを飼うということは、飼育側にも一定の負担がかかるため、マッチングとして、相性や迎え入れるかの見極めをアドバイスするなどサポートがあると嬉しいです。
②ペットの高齢化に対応する
人と同様ペットも高齢化対応が求められます。ペット保険などでのペット医療対応やペット自体へのストレスチェック、ペットの健康管理などは今後増えていくと考えられます。
ペットショップ側でゆりかごから墓場まで、ペット販売からアフターサポートや関連サービスとして高齢化対応までワンストップで提供することは付加価値に繋がります。
③レンタルペットでマッチングを増やす
ペットをひと目見て選ぶのは困難です。ペット自体をレンタルし、相性や環境を確かめて、受け入れるという事業者もあります。
新しいアイデアでマッチングを増やすこともポイントとなるでしょう。