■どんなモデルか
世話やしつけを代行するペットシッターは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①法人事業者は少なく、多くは中小零細事業者
ペットシッターは、ペットの世話を代行する仕事といえます。
ペットの世話としてごはんやトイレ、体調管理やしつけなどを行います。
基本的に、シッターが居る必要があるため、飼い主等の依頼主から近隣に所在する必要があります。
ペットシッター大手で全国数百店舗でありますが、多くの事業者は個人や中小規模の事業者が多いと考えられます。
②時間従量モデルが基本
犬猫などペットに対して頭数の課金もありますが、基本的に30分や1時間などの時間課金が基本です。
相場としては、都心などエリアによって異なりますが、30分3000円程度が目安となります。
宿泊なども基本的に従量モデルと言えますので、いかに長時間預けてもらうか、何度も利用してもらうかがポイントとなります。
③サービスは成熟しており差別化困難
動物取扱業としての自治体登録は義務となりますが、動物飼育経験があれば開業が可能です。
実績や安心感以外でのサービスの違いを出すことは困難と言えます。
逆にいえば、信頼性が高いサービスを行えばリピートされるため、中小規模や個人でも運営出来るとも言えそうです。
■業界動向やトレンドについて
環境省の動物取扱業登録状況では、平成18年では10,631件の登録数が、令和2年では28,686件と約2.8倍に増加しています。
同期間で全体の動物取扱業登録数は29,466件から60,982件と約2倍となっているため、他の動物取扱業種に比べて伸び率が高いと考えられます。
大手事業者の店舗数でも数百店舗であり、このことから多くのペットシッターが個人規模での展開が多いと推測されます。
先に述べたように、参入障壁が比較的低いため、個人でも参入可能です。どのように付加価値が高いサービスを提供するかがポイントとなりそうです。
■ペットシッターがおすすめの方
ペットシッターのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・ペットなど動物の世話の経験がある方
・ペットの取り扱いに慣れている方
・イレギュラーな対応や時間管理が得意な方
ペットシッター自体は代行業のイメージも強く、ペットのしつけや世話でどこまで専門性を出せるか、価値を出せるかがポイントになります。
ペットや動物に慣れていたり、急な飼い主の依頼に対応出来たりする方が向いていると考えられます。
■成功のポイントは?
ペットシッターのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①シッター経験を積む
個人的なペット飼育では経験が限られるため、ペットショップやペットサロンなどペットシッターの経験を積むことがポイントになります。
ペットシッターとしてのお客さまのニーズを踏まえて、事業とするのがいいでしょう。
②散歩やしつけなどの付加サービスを提供
ペットの世話はごはんやトイレなどになりますが、散歩は別メニューである事業者が多いです。他にも、訓練という登録になりますが犬のしつけなどの専門性を訴えるのもありかと思います。
他にも単身高齢世帯の飼い主に対しては、安否確認などのサービスを入れるなどのサービスも存在します。ペットの世話を代行するだけでない、飼い主のニーズを開拓することが重要でしょう。
③近隣エリアでリピート客を作る
シッター自体は出張するか、シッター宅で預かるなどシッター自身の移動できる範囲が限られます。
よって、新規顧客を開拓し続けるモデルよりも、安定してリピートしてもらえるお客さまを増やすことで、安定した売上を目指すのが良いでしょう。