おにぎり専門店とは
おにぎり専門店とは、業態名の通りおにぎりを中心に店頭で販売するテイクアウト型のビジネスモデルです。1990年代後半から主に首都圏、関西圏のターミナル駅の駅ナカ業態、及びショッピングモール内のテナント業態として発展してきました。
その後も安定して店舗数を増やしているおにぎり専門ですが、おにぎりという商品の購入先として競合となるコンビニエンスストアとの差別化のため、「店舗で炊きたての米」「大きく存在感のある具」といった特徴を各店ともに打ち出しています。
イートインの店舗もありますが、セルフサービスが中心であり、商品提供のオペレーションが容易で、テイクアウト売上比率が高いことも特徴です。そのため、人件費を抑えたオペレーションを組むことができることも知られています。
おにぎり専門店のビジネスモデル
おにぎり専門店がまずはどんなビジネスモデルか見ていきましょう。
1.テイクアウトを主体としたビジネスモデル
おにぎり専門店の想定顧客は30代から60代の女性と言われています。ただし、出店場所によっては昼食のテイクアウトとしてサラリーマン中心のターゲティングになることもあります。テイクアウトを中心とした商品構成のため、ターゲット層を限定しすぎることなく、売上を狙うことができるビジネスモデルです。
2.季節に応じて商材を変えていけるビジネスモデル
おにぎりという国民食を扱うため、そのレパートリーは多岐にわたります。そのため季節に応じた味を打ち出すことや、定番品を切り替えていくことのできるビジネスモデルです。
3.素人でも販売できるビジネスモデル
店舗でのおにぎり製造オペレーションは米の焚き上げから行われることが一般的です。ただ、マニュアル化、オートメーション化の進んだ業界であるので、採用したスタッフの能力に依存せず、安定したクオリティの商品を提供することができます。
おにぎり専門店が伸びている理由
おにぎり専門店が伸びている理由としては、以下のことが考えられます。
・周期を繰り返すスイーツ系ショップより永続した人気がある
・原価が安く、高い収益性を確保できる
・新規に採用したスタッフを即戦力として使用できる
原価30%と言われる外食・テイクアウト業界の中でも、具の製造から行うと10%前後の商品原価率をおにぎり専門店では達成できます。店舗スタッフのオペレーションも簡易なため、高い収益性を維持することが可能です。
おにぎり専門店がおすすめの方
おにぎり専門店のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・他の飲食業態からの転換を図っている方
・路面の余剰スペースの有効活用を検討している方
上記のような方々は、既に飲食店舗運営に詳しい方々、もしくはすでに出店スペースを保っている方々のため、おすすめのビジネスモデルです。
成功のポイントは?
最後に、おにぎり専門店の成功ポイントを押さえておきましょう。
1.立地
まずは、立地が重要です。目立つこと、認知度を高めることが重要で、おにぎり専門店として「わかりやすい」店づくりが求められます。
2.コンセプト
立地による集客を行っても、店舗のコンセプトが十分に差別化されていない場合、コンビニエンスストアや食品スーパー、他のテイクアウト店との競合に勝つことはできません。そのためにはメニュー全体と店頭を貫く他店との明確な違いを顧客に打ち出していく必要があります。
3.季節のメニュー作り
リピート顧客比率を高めて経営を安定させるためにも必要なのが季節のメニューです。売れ筋のメニューだけでなく全ての商品を分析して、季節を先取りした構成に変えていくことが求められます。