ポイント①カフェ業界の市場規模と業界動向について
市場規模
カフェ・喫茶店市場は、2012年より拡大傾向にあり、日本フードサービス協会の調査によると2019年には1兆1,780億円に市場は拡大しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により2020年は前年比31.6%の8,055憶円となりました。2021年からは市場回復傾向にあります。
業界動向
カフェ業界は、2021年に休廃業・倒産件数が過去最多の161件となりました。業界としては、個人経営の店舗が減少しセルフサービス式のチェーンコーヒーショップの比率が高まっています。特に、日本マクドナルドや日本KFCなどの大手企業がカフェ風店舗の出店を進めています。また、マクドナルド、コンビニエンスストアなどでは淹れたてコーヒーを100円から販売しており、価格競争が激化しています。
ポイント②カフェのビジネスモデルについて
収益構造
カフェは「移動式(キッチンカー)」「自宅開業型」「独立店舗型」の形態があります。どの形態もドリンク・フードの販売を行うことで収益を得るビジネスモデルです。
カフェの売上比率は、ドリンクが85%でフードが15%といわれています。ドリンクは500~600円前後での提供が多く、ドリンクのみの注文の場合は客単価は低い傾向にあります。そのため、フードとのセットメニューを提供するというような客単価を上げる施策を行うことにより、売上高を大きくすることが必要になります。
集客方法
お客様の情報源としては「お店の外観・外から見える様子」が最も多く、次いで「口コミ」となっています。
主な集客方法としては、店舗検索サイト・お店のHP・SNS・チラシがあげられます。特に、SNSを活用することでお店の認知度が向上し、集客につなげることができます。
ポイント③カフェ事業立ち上げの手順と注意点
立ち上げ手順
カフェの新規出店には「食品衛生責任者」の資格取得が必要になります。さらに、30名以上で運営する場合には「防火管理者」の資格も必要です。
資格取得以外に、営業を開始するためには保健所に「飲食店営業許可申請」、パンなどの販売を行う場合には「菓子製造業許可申請」を届け出ることで開業することができます。
注意点
カフェを個人開業する場合は、「開業・廃業等届出書」を1か月以内に管轄の税務署へ届け出る必要がありますが、届け出漏れのケースも多いため十分に注意が必要です。
また、運営面での注意点としては「初期投資を抑えること」「収支計画を綿密に立てること」があります。カフェ事業が属する飲食・宿泊業は廃業率が最も高い業界であり、課題投資をしてしまうと、運転資金がなくなることで営業継続が難しくなります。
ポイント④カフェ事業に必要な費用
イニシャルコスト
カフェ形態によってイニシャルコストは大きく異なります。「移動式」「自宅開業型」「独立店舗型」3形態の平均は600万~900万円となっています。最もイニシャルコストがかかる「独立店舗型」は1,000万円以上が必要になる場合があります。
- 物件取得費
- 設備工事費
- 内装工事費
- 設備導入費
- 備品・什器
- 消耗品費
- 広告宣伝費
- 運転資金
- 原材料費
ランニングコスト
カフェの運営費用としては、以下の項目があげられます。
- 家賃
- 水道光熱費
- 人件費
- 原材料費
- 消耗品費
- 衛生費
- 販促費
- 広告宣伝費