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~悪魔か救世主か?~

■どんなモデルか

外食産業をゲームチェンジさせた宅配ビジネスとは、どのようなビジネスモデルでしょうか。

①プラットフォームビジネス

宅配ビジネスは、「レストラン」「顧客」「配達員」の三者をマッチングさせるプラットフォームビジネスです。国内最大手の『出前館』、アメリカ最大手の『DoorDash』ともに2021年末時点で黒字化しておらず、構造的に利益の出にくい業界といえます。最終的に2~3社が生き残る寡占化が予想され、現在大手同士がしのぎを削っている、競争の激しい業界です。

②コンタクトポイントの収奪

宅配ビジネスの登場により、「レストラン」は「顧客」とのコンタクトポイントを失いました。顧客の生の声を聴けるのはプラットフォーマーとなり、レストランは顧客ニーズを把握しにくくなりました。

③ギグワークの活用

ギグワークとは、こまぎれ時間を利用して「働きたいときに働きたいだけ働く」働き方です。ギグワークの登場により、人々はライフスタイルやライフステージに応じて、自己実現を追求できるようになりました。「配達員」の役どころは、ギグワークと非常に相性がよく、新しい働き方のシンボルとして注目されています。

■業界動向やトレンドについて

宅配ビジネスのプラットフォーマーは2~3社あれば十分なため、中国のように国営企業に運営させている’国もあります。一方アメリカは、最終的に生き残った企業に独占させつつも、反トラスト法による制限を設ける算段のようです。日本は、生き残った企業が残存者利益として大幅な値上げを行う公算が大です。

■宅配ビジネスがおすすめの方

宅配ビジネスのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。

・チャットツール運営会社を経営されている方
「レストラン」「顧客」「配達員」の三者は、LINEやWechatなどのチャットツールを使って通信を行います。あなたがチャットツール運営会社を経営されている場合、チャットツール利用者を宅配プラットフォームに顧客として流し込むことができ、強力なシナジーが発揮できます。

・コンビニチェーンを経営されている方
現在「配達員」が手待ち時間に待機する場所がなく、路上に配達員があふれるなどの社会問題が発生しています。コンビニを配達員の基地とし、コンビニ商品の配達も行えば、一石二鳥です。

・交通機関を運営されている方
交通系電子マネーは、銀行口座やクレジットカードを持たない人にも利用できるため、金融包摂の観点から望ましいといえます。あなたが電子マネーを扱う交通機関を運営されている場合、宅配ビジネスにおいて大きなアドバンテージを得ることができます。

■成功のポイントは?

宅配ビジネスのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。

①知名度の高さ

「レストラン」「顧客」「配達員」の三者の登録者数が多いほど、会員相互の利便性が増すというネットワーク効果が働きます。登録者数を増やすには、知名度の高さが不可欠です。そのためプラットフォーマー各社は、有名タレントを起用したCM合戦を展開しています。

②潤沢なキャッシュ

最終的に生き残る2~3社に入るため、プラットフォーマー各社は連続赤字に耐えています。手元のキャッシュに余裕がなければ勝負になりません。 

③使いやすいアプリ

新しい顧客体験を提供し、会員数を増やすためには、老若男女にとって使いやすいアプリを提供することが不可欠です。
全体のまとめとして、本業界はすでに大手同士が熾烈な競争を繰り広げるレッドオーシャンであり、新規参入者がつけ入る隙は少ないといえます。

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