■どんなモデルか
自宅をお洒落なビアバーに変身させるビールのサブスクは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①未知のクラフトビールに出会える
ビールのサブスクは、定期便型のサブスクです。月に1~2回、クラフトビールが6種類(半ダース)送られてきます。ビールの種類は、あなた自身が選ぶことも、AI利用のリコメンドエンジンに「おまかせ」することもできます。リコメンドエンジンは、あなたの好みに応じて、未体験の味を紹介してくれます。
②飽きがこず「卒業」がない
選べるクラフトビールは数千種。日本酒やワインのサブスクよりも、はるかに選択の幅が広くなっています。一度に送られてくるのは6種類なので、飽きがきません。顧客継続率が非常に高く、「卒業生」となる人はまれです。
③インスタ映えによるUGC連鎖
味と香りを伝えられないというインターネットの弱点を、クラフトビールはみごとに克服。個性的なボトルと、ビールのリッチな色合いは、まさしくインスタ映えの逸品です。日々新たなUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生んでいます。
■業界動向やトレンドについて
情熱をもったブルワリーの登場により、全国に多数の「こだわりビール」が誕生しました。百花繚乱のクラフトビール群は、これまでいなかった「趣味はビール」なディープなファン層を育成。万人向けの味を売り物にする大手ビール会社はカニバリをおそれて静観しています。ブルーオーシャン状態はしばらく続きそうです。
■ビールのサブスクがおすすめの方
ビールのサブスクのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・海外法人をお持ちの方
ビールは大衆向けアルコール飲料として世界各国で絶大な人気を誇っています。日本で生まれたサブスクモデルを各国に持ち込む「タイムマシン経営」をおこなえば、より純度の高いブルーオーシャン戦略が展開可能でしょう。
・バイラルメディアをお持ちの方
『人は見た目が9割』といわれますが、ネット上においては『ビールも見た目が9割』。視覚情報が圧倒的なウェイトを占めます。クラフトビールの琥珀色の色合い、澱(おり)、にごりを見れば、思わずつばをのみこまずにはいられないでしょう。もしあなたが拡散力の強いバイラルメディアをお持ちの場合、大きなアドバンテージとなります。
・ソムリエ級の味覚と表現力をお持ちの方
クラフトビール評論家が育ちつつある現在も、ワインのソムリエのような格式と権威にはいたっていません。あなた自身がクラフトビール界のスターソムリエとなり、超新星の輝きのようなインフルエンサーとなることができれば、業界地図を一変させるでしょう。
■成功のポイントは?
ビールのサブスクのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①リコメンドエンジンの性能
未知なる美酒との出会いのワクワク感を演出できるかは、リコメンドエンジンの性能いかんにかかっています。あえてハズレもまぜていく「過剰最適化の回避」は、ガチャのドキドキ感を高め、さらなる顧客継続率の向上をよびます。
②買い手の影響力
ビールのサブスクは、1本ずつ買うよりはるかに低価格となるのも魅力。一括仕入れと一括発送によるコストダウンを行い、現状のサブスク会費を死守します。
③共存共栄
尽きせぬクラフトビールの魅力とはいえ、顧客が「飽き」を感じる日は必ず来ます。新進のブルワリーの育成と紹介に尽力し、クラフトビール業界全体を盛り上げでいきましょう。