■美容院のビジネスモデル
1.ブランド力で高単価を目指す
美容院はコンビニよりも多くの店舗数があると言われているほど、市場競争は激しいものになっていますが、その中でもブランド力を身につけることに成功すれば高単価なマネタイズが可能です。都内で人気の美容院は銀座、原宿、青山、六本木、代官山、恵比寿など賃貸費用が高いロケーションにあることが多いです。しかしブランド力や技術の信頼性で高単価でも利用したい顧客が集まることにより収益化が可能になっています。
2.収益の高い料金体系を設定する
高単価でもこだわりの美容院を利用したい客層とは別に、流動的な客層を取り込む戦略もあります。例えば、カット料金だけを安く設定しリピーターが増えるようにする、クーポン配布やキャンペーンを定期的に行うなどは、お店を利用しやすくなる工夫の例です。特に固定の美容院が決まっていない客層にとっては、お得感が店舗選びの決め手となります。
3.特化型美容院としてターゲットを絞る
特定の分野に特化した美容院としてターゲットを絞るのも有効なビジネスモデルです。例えば、最近では髪質改善に注目が置かれています。また、美容室メニューのほかにマツエクや痩身メニューなどエステ要素を取り入れている店舗もあります。
■美容院の取り巻く現状
1.美容院業界は堅調な推移
美容業界は1.5兆円市場と言われており、コロナ禍の影響を受けながらも年間売り上げ高は堅調な推移を見せています。客単価も2020年上期は女性が6,846円、男性が4,241円、と4年連続増加の傾向にあります。
2.美容師は増加しているが離職率も高い
美容室の数は間3,000~4,000軒ずつ増えており、美容室の増加は価格競争の原因となっています。また美容師の数も増加しており、新規免許登録者数は毎年約18,000人~19,000人となっています。一方で離職率も高いため、ベテラン美容師の数はそれほど多くないのも現状です。離職率の原因としては、技術習得のために長期間かかることや、肉体労働的な側面があり耐えられず辞めてしまう人も一定数いることが挙げられます。
3.運営方法の多様化
美容室の集客方法は SNSや予約サイト・店舗情報検索サイトの活用が盛んになってきています。以前よりも顧客が手軽に評価や口コミの発信ができるため、美容院側もネットを利用した経営戦略が不可欠な時代と言えるでしょう。また、店舗を持たずに出張サービスを行ったり、シェアサロンで活動するフリーランスの美容師も登場しています。
■おすすめの方
美容院がおすすめの方は、以下の通りです。
・美容師としての技術がある
・ブランディング能力に長けている
・美容師以外の美容系技術も持っている
上記のような方々は、生き残り競争の激しい美容院業界において差別化を図れるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.ネット戦略に重点を置く
現在、多くの人が美容室を探す方法の主流が検索予約サイトです。ネット予約の取りやすさや価格などで選ぶ人が多いため、予約体系や料金体系の情報整備は流動的な顧客を取り入れる上で必須でしょう。また、InstagramなどのSNSを通して、知人が投稿した内容から美容室の公式アカウントを見つける場合もあります。行ってみたいと思わせる視覚的効果を狙ったSNS戦略も重要なポイントでしょう。
2.メニュー拡大を視野に入れる
他店との差別化を図るため、メニュー拡大を視野に入れることもできるでしょう。髪質改善メニューや発毛メニュー、エステメニューなどは新たな顧客を取り入れるセールスポイントとなります。また、最新設備の導入も品質にこだわりを持つ層の顧客にアピールするのに効果的です。