■エステサロンのビジネスモデル
1.サブスクリプションの導入
サブスクリプションは会費により安定した収益を得るビジネスモデルです。最近では、ソフトウェアサービスで、会費を払うと提携エステサロンに通い放題というタイプのものがあります。このようなサービスの提携店になることにより、安定した収益が得られ、リピート率が高くなるというメリットがあります。
2.物販による収益
エステサロンの主な売り上げはサービス提供ですが、関連商品の販売によっても収益を増やすことができます。施術中に使用したものやアフターケア用品を紹介する形で自然な流れで商品購入へ繋げられます。また、サロンのオリジナル商品を開発しヒットすれば安定した収益化が可能です。
3.コンセプト専門店
近年では、サロンの専門店化が進んでいます。例えば、エステの中でもフェイシャル、痩身、リラクゼーションなど異なるジャンルのメニューがありますが、特定の分野に特化することでブランディング力を高める効果があります。また、最近では男性専用のメンズエステも新たな市場として注目を集めています。
■エステサロンの取り巻く現状
1.横ばいの推移
エステティックサロン市場は2000年をピークに売上減少傾向にありました。2000年以降から現在にかけては横ばいの推移となっています。矢野経済研究所の調査によると、2019年度のエステティックサロン市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比100.8%の3,630億円でした。コロナ禍に入った2020年には3,436億円、2021年は3480億円となっており、コロナ禍後も一定のニーズを保ち続けている現状です。
2.SNS発信の活発化
美容業界では、SNSの発信力を利用したマーケティングが欠かせないものとなっています。口コミや店舗の雰囲気などを重要視するユーザーにとって、口コミサイトやアプリ、Instagramなどはエステ選びの重要な情報源となっています。そのため、WEBマーケティングに力を入れることもエステサロンの成功の鍵といえるでしょう。
3.法令の厳格化
エステサロンの広告内容については、法令の厳格化が進んでいるため、最新の法令に対する理解と遵守が求められます。広告内容を規制する法令に「薬機法」や「景品表示法」などがあります。これらは施術内容の誇張した宣伝表現を規制するもので、WEBマーケティングを行う際は注意が必要です。
■おすすめの方
エステサロンがおすすめの方は、以下の通りです。
・エステティシャンの技術がある
・SNS発信が得意
・特化したいエステのメニューを持っている
上記のような方々は、集客力と発信力が求められるエステサロンの経営を成功できるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.エステティシャンファーストの雇用条件
エステサロンのサービスの質は多くの場合エステティシャンの技術に依存します。人気のエステティシャンには固定客が多くつき、結果としてエステサロン全体の売上を上げることに大きく貢献するでしょう。そして、このような背景からエステティシャンの定着率を高めることは、エステサロンの利益に直接関係し、重要視したいポイントです。給与や福利厚生に満足がいかないと、優秀なエステティシャンは他店に移動してしまうため、人件費への投資は欠かせません。
2.ターゲットエリアを拡大する
エステサロンをオープンする際にある程度のターゲットエリアを設定するのが一般的ですが、集客が横ばいになってきたらエリアの拡大を検討できます。店舗に通える範囲のエリアを想定し、そのターゲットに向けた広告戦略を強化していくなら、新規顧客を増やし続けることができます。
3.メニューカテゴリを増やす
特定の分野でブランディングが成功したなら、徐々にメニューカテゴリを増やすのも新規顧客を増やすためには有効な方法です。ただし、一度にメニューを増やしすぎると集客が分散したり、スタッフの負担を増やしサービスの質を下げる原因となります。メニューの拡大は計画的に、リピーター顧客のニーズを検討しながら行うと良いでしょう。