■どんなモデルか
痛いけど効果抜群のストレッチ専門店とは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①プロアスリート仕様
ストレッチとは、筋肉を『伸ばす』ことです。マッサージは筋肉を『押す』ことなので、この点ことなります。ストレッチは準備体操の一部としても行われますが、ストレッチ専門店では、プロアスリートが「コンディション維持」「疲労回復」「運動機能向上」を目的として行うストレッチを提供します。いわばプロアスリートのみが知る健康法の奥義を、広く大衆に門戸を開いたのがこのビジネスモデルとなります。
②健康な人が対象
通常の針灸マッサージが、心身に何らかの不調を抱えた人を対象にするのに対し、プロアスリート仕様のストレッチは、運動機能向上を目的として健康な人に対して行われます。
③セルフより気持ちいい
ストレッチは自分ひとりでもできますが、高い技術を持ったトレーナーにマンツーマンで施術してもらう気持ちよさは格別です。「ふたりヨガ」と称されるタイ式マッサージに通じるものがあります。貴族のような快楽を大衆向けサービスに落とし込むのは、ビジネスモデル創出の典型パターンです。
■業界動向やトレンドについて
2010年開業の『Dr.ストレッチ』が草分けで、ブームの火付け役でもあり、現在も国内外に120店舗をかかえる最大手です。医療費削減の切り札となる「予防医療」としても注目を集めている将来有望な分野です。
■ストレッチ専門店がおすすめの方
ストレッチ専門店のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・スーパー銭湯を経営されている方
・ストレッチ専門店で筋肉を伸ばしたあとは、湯船で温まるのが一番。スーパー銭湯には、ストレッチ専門店のバリューを高める効果があります。駐車場が共有できるのも好都合。
・スポーツジムを経営されている方
スポーツジムで筋肉量を増やしたあとに、ストレッチ専門店で筋肉を伸ばすこともまた、すばらしい相乗効果を発揮します。
有名アスリートの友人をお持ちの方
広告塔となる有名アスリートの友人がいれば、鬼に金棒です。ストレッチ専門店との相性はバツグン。引退後のセカンドキャリアとして、先方にもメリットのある話です。
■成功のポイントは?
ストレッチ専門店のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①常連客の囲い込み
サービス終了時に次回の予約日を決めてもらうのが、常連客囲い込みの秘訣です。一見では予約の取りにくい店に育て、お客様に「次回の予約をしないともったいない」と感じて頂くのが目標です。
②店舗間の融通
支店数を増やし、「(お客様が電話した)A支店は終日予約でいっぱいだが、B支店ではキャンセルが出た」ような場合に、B支店をオファーできるようになれば、もうかる体質になります。支店を増やしてレバレッジを利かせましょう。
③セルフに逆進化
「セルフより気持ちがいい」がストレッチ専門店のウリですが、他人に体を触れられるのが嫌な層は一定数存在します。また、ちょうどいい「痛きもちよさ」を伝えるのが面倒な人もいます。さらに、セルフストレッチはZoomでの施術指導も可能です。あえて逆進化のセルフストレッチを提供するのも考慮すべき戦略でしょう。