カラオケボックスのビジネスモデル
ゲームセンターのビジネスモデルがまずはどんなビジネスモデルかを見ていきましょう。
1.若者を中心に、老若男女幅広く利用されているビジネスモデル
カラオケボックスは若年世代を中心に、老若男女幅広く利用されています。昼間は主婦・老人、夕方から深夜にかけて学生・サラリーマンが主要顧客となるビジネスモデルです。中高生~大学生は特にカラオケを利用する傾向にあり、若者をターゲットにしたカラオケボックスの運営が必要です。
2.食事やアルコールの提供によって収益増が期待できるビジネスモデル
食事やアルコールの提供などが大きな収益源となるビジネスモデルです。特にサラリーマンや主婦は二次会にカラオケボックスを利用したり、パーティー会場として利用する傾向があります。飲食メニューを充実させることで、収益増が期待できるビジネスモデルです。
3.ローコスト・オペレーションがカギとなるビジネスモデル
カラオケボックスは固定費が売上比の約8割程度となることが多いビジネスモデルです。人件費・賃料・カラオケ機器リース料・光熱費など、売上に占める固定費の割合が高いことから、出店コストの抑制やローコスト・オペレーションがカギとなるビジネスモデルです。
カラオケボックスの取り巻く現状
1.カラオケ利用人口・施設数は横ばい推移の中、繁華街店舗は売上増の見込み
カラオケの市場動向を見てみましょう。カラオケ利用人口・施設数共に横ばいです。三井住友銀行によると、カラオケ市場規模は1990年代に娯楽の多様化・景気後退を受けて縮小傾向にありましたが、近年は身近で手軽なレジャー施設として定着し、現在では横ばい又は微増傾向で推移しています。
立地別でみてみると、郊外型店舗では、飲酒規制の厳罰化による来店者数の減少が続いています。一方で、繁華街に立地を構える店舗では景気回復を受けて需要が拡大しており、売上増の見込みとされています。
2.価格帯による二極化が進んでいる
カラオケボックスは、大手事業者の出店競争により低価格化が見られましたが、現在は高価格帯と低価格帯の二極化が進んでいます。郊外店舗では、低価格事業者が地域事業者の退店跡地に積極出店する傾向が見られます。繁華街店舗では、ラグジュアリーな雰囲気の接待向け個室を備えるカラオケボックスなどが売上を伸ばしている傾向にあり、高価格帯カラオケボックスと低価格帯カラオケボックスへの二極化が進んでいます。
3.個室を利用した新規サービスが注目されている
新型コロナウイルスの影響を受け、カラオケボックスのサービスは多様化しています。カラオケボックスの個室スペースを利用したテレワークスペースや、レンタルルームとしての貸出などの新規サービスが見られています。また、インターネットカフェやフィットネスクラブなどの近隣施設との相乗効果を狙った施策も注目されており、収益源の多様化が進んでいます。
カラオケボックスがオススメの方
カラオケボックスのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・飲食サービスの提供ノウハウがある、飲食店の方
・相乗効果により顧客を増やしたい、他の娯楽施設の方
・空間演出や提供のノウハウを、他のサービスに応用したい宿泊施設の方
上記のような方々は、飲食サービスや空間演出のノウハウを活かして収益増を狙えるため、おすすめのビジネスモデルです。
成功のポイントは?
最後に、カラオケボックスの成功のポイントを押さえておきましょう。
1.立地に合わせた店づくり
まずは、主要顧客を特定し、立地に合わせた店づくりが重要です。オフィス街に近い立地の場合は、若いサラリーマンやOLをターゲットにした「カラオケランチの提供」や「二次会メニューの充実」、若者が多い立地の場合は「低価格歌い放題」や「最新機器やバリエーションの充実」が効果的です。
2.ローコスト・オペレーションの徹底
カラオケボックスの固定費は比較的高い傾向にあります。飲食メニューの絞り込み・簡素化による人件費・原価低減や、人手のかかる業務の機械化などによるローコスト・オペレーションが必要です。新規出店する場合は、居ぬき物件などを活用して出店コストを抑制することなどがカギになります。
3.稼働していない時間帯の個室活用
昼間は、カラオケボックスの稼働率は低くなる傾向にあります。カラオケボックスの全個室をカラオケボックスとして活用するのではなく、テレワークスペースや寝袋貸出による仮眠スポットとしての提供など、幅広い施策を打ち出しましょう。稼働していない時間帯の個室を活用することで、安定した収益を得られます。