ゲームセンターのビジネスモデル
ゲームセンターのビジネスモデルがまずはどんなビジネスモデルかを見ていきましょう
1.若者をターゲットとしたビジネスモデル
学生や仕事帰りのサラリーマンなどに人気の施設です。ゲームセンターは主に学生や仕事帰りのサラリーマンなどに利用されています。10代では友人・カップルと一緒に、20代ではひとりで、30代以降はファミリーで利用する人が多く、立地に合わせた筐体を提供することがポイントとなります。
2.収益体質が改善され、収益化の狙いやすいビジネスモデル
過当競争を経て、残存者メリットを享受する時代にあるビジネスモデルです。ゲームセンターは、1990年代の過当競争により、出店数が大幅に削減されました。しかし、現在では「大型商業施設への出店」「新しい顧客層に向けたゲーム機の導入」などによって、収益体質が改善されています。大手系列会社のフランチャイズとして加盟することで、大幅な収益化が目指せるビジネスモデルです。
3.立地に合わせて幅広い戦略が打てるビジネスモデル
地域の特性や、顧客層に合わせて幅広い戦略が打てるのが魅力的なビジネスモデルです。最近では、ゲームメーカーによって、これまでに取り込めなかった層に向けたゲーム機や、収益性の高いゲーム機がリリースされています。また、飲食店や他の娯楽施設などに副業的にゲーム機を設置する「シングルロケ」での出店方式などがあります。立地に合わせたゲーム機の導入によって、収益増が目指せるビジネスモデルです。
ゲームセンターの種類
ゲームセンターが設置するゲーム機には、以下のような種類が存在します。
1.プライズゲーム型
2.アミューズメント型
3.メダルゲーム型
1.最も利用率が高いプライズゲーム型
プライズゲーム型はクレーンゲームやUFOキャッチャーなどを指し、ゲームをクリアすることで商品が獲得できるゲーム機です。現在最も利用されており、どの年代層にも幅広く利用されています。特にカップルでの利用が多く、プリントシール機などの併設で売上増が見込めます。
2.メダルゲーム型
メダルゲーム型は、店舗からメダルを購入し、そのメダルを用いてゲームを利用するゲーム機です。全体ではクレーンゲーム・UFOキャッチャーに次いで利用されているゲーム機で、特に男性40代以上の利用率が高いとされています。
3.アミューズメント型
アミューズメント型は、ビデオゲーム・音楽ゲーム・プリクラ・カードゲームなど、硬貨を投入することでゲームを楽しむゲーム機です。友人やファミリーと一緒に利用する人が多く、10代女性にはプリクラ、10代男性には音楽ゲームの利用率が高いです。
ゲームセンターが伸びている理由
1.市場規模は増加傾向
一般社団法人日本アミューズメント協会 2019年度「アミューズメント産業界の実態調査報告書」によると、アミューズメント産業の市場規模は5年連続増加傾向にあります。この理由として、2016年に改正風俗営業適正化法によって、年少者のアミューズメント施設立ち寄り時間の延長が認知されてきたこと、スマホゲームなどのヒット作がリリースされるようになったことで、利用者が増えたことなどが挙げられます。
2.ゲーム機器の多様化による顧客の増加
ゲームメーカーの企業努力により、最近ではこれまでに取り込めなかった顧客層をターゲットにしたゲーム機がリリースされています。スポーツを楽しみたい人に向けた「e-sports」や、スマホゲームのヒット作をゲーム化したもの、VRなどを駆使した「リアル体験型ゲーム」など様々なゲーム機がリリースされています。これまで、ゲームセンターを利用してこなかった人をターゲットとしたゲーム機のリリースにより、ゲームセンター全体の利用者が増えています。
3.収益体質の改善
ゲームセンターの施設数は年々減少傾向にあります。しかし、ゲームセンター全体の売上高は5年連続上昇傾向にあり、1店舗辺りの売上は増加しています。規模別の店舗数で見ると、2019年における71台以上のゲーム機を設置するゲームセンターの施設数は前年比で147 %に増加しています。ゲームセンターの大型化・集約化による収益体質の改善が進んでいるため、大手系列店舗とのフランチャイズ契約などによって収益化することが重要です。
ゲームセンターがオススメな方
ゲームセンターがオススメな方は以下の通りです。
・大型店舗で運営をしたいゲームセンターの方
・相乗効果で売上増を狙いたい娯楽施設の方
・若者をターゲットにした施策立案が得意な方
上記のような方々は、ゲームセンターを経営していく上で人気のゲーム機や、マーケティング戦略などに知見を有しているため、オススメです。
成功のポイントは?
最後に、ゲームセンターの成功ポイントを押さえておきましょう。
1.立地・顧客層に合わせたゲーム機の導入
まずは、立地・顧客層に合わせたゲーム機の導入が重要です。若者の多い街であれば、友人やカップルと一緒に楽しめるようなプライズゲームやプリクラの導入、サラリーマンの多い街であれば、仕事帰りに一人で楽しめるビデオゲームの導入などが効果的になります。立地に合わせた顧客層の分析が必要です。
2.大手系列店舗とのフランチャイズ契約を狙う
過当競争を勝ち抜いた大手アミューズメント企業は、収益化のためのオペレーションやマーケティングのノウハウに長けています。最新のゲーム機は筐体価格やランニングコストがかかるため、大手系列店舗とのフランチャイズ契約が収益化で重要になってきます。
3.近隣施設との相乗効果
大手商業施設や、他の娯楽施設などに併設した場合、提携による利用者増が効果的です。大手商業施設に出店する場合、映画館の半券チケットを提示でプライズゲーム1ゲーム無料などのキャンペーンを打ち出すなど、デートの流れでゲームセンターを利用してもらえるような施策が効果的です。