民宿とは
民宿とは、民家や屋敷などを宿泊所として開業し、旅行者などに提供する宿泊施設です。旅館業法では簡易宿泊に分類されることが多いです。
民宿のビジネスモデル
民宿がまずはどんなビジネスホテルかを見ていきましょう。
1.様々なターゲットに合わせた立地で営業可能なビジネスモデル
民宿は、民家や屋敷などを宿泊所として提供するため、利用するユーザーに特化した立地で営業可能なビジネスモデルです。大型旅館やホテルが開業するには参入障壁が高い立地でも営業可能なため、ハイキング、サーファー、釣り、スキー客など様々なターゲットに合わせた営業が可能。
2.コンセプト・サービスの工夫で差別化を図るビジネスモデル
宿泊人数が少ないことから、様々なコンセプト・サービスを打ち出すことができるビジネスモデルです。近年では、農業・漁業体験民宿や昔ながらの古民家宿泊体験を提供する民宿が注目されています。コンセプト・サービスが打ち出しやすいことから、差別化を図りやすいビジネスモデルです。
3.初期費用を抑えた運営が可能なビジネスモデル
民宿は、民家や屋敷を利用するため、初期費用を抑えた運営が可能なビジネスモデルです。ホテル業の場合、物件取得費用によって損益分岐点である稼働率が決定されますが、民宿の場合は物件取得費用が抑えられ、改装費も少なくて済むため、安定した運営が可能です。
民宿の市場動向
1.体験型施設が注目されている
近年、「ワーキングホリデー」や「農業・漁業体験」が注目を浴びています。このような体験をしたい人達に、アットホームな雰囲気で宿泊できる民宿が利用されています。農林水産省も農林漁業体験民宿の普及を目指しており、様々な補助金が受けられるようになっています。
2.Airbnbなどの民泊予約サービスで、利用されやすくなった民宿
多くの民宿は零細規模のため、大手宿泊予約サイトに掲載できない場合も多くありました。現在では、Airbnbなどの比較的低価格で掲載できるサービスが人気になっており、規模の小さい民宿でも気軽に利用者を募ることができるようになりました。
3.外国人観光客の宿泊先としての期待が高まる
国内延べ宿泊数は年々増加傾向にあります。少子高齢化が進むなか、政府として日本を支えるための成長戦略の大きな柱として、観光促進が掲げられています。平成30年度の訪日外国人観光客が3119万人であり、2030年には6000万人を目標として掲げています。現在は新型コロナウイルスの流行により、インバウンド需要は冷え込んでいますが、収束後は民宿の需要も高まると考えられます。
民宿がオススメの方
民宿のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・空き民家を利用して収益化したい、地主・家主の方
・空間演出のノウハウがある、インテリアデザイナーの方
・接客ノウハウのある、宿泊施設の方
上記のような方々は、知見や資産を活かして収益増を狙えるため、おすすめのビジネスモデルです。
成功のポイントは?
最後に、民宿の成功のポイントを押さえておきましょう。
1.ターゲットに合わせた宿づくり
まずは、ターゲットに合わせた宿づくりが必要です。立地が山間部の場合はハイキング・釣り・スキー客といったユーザーが利用するため、早朝から朝食を提供したり、器具のメンテナンス用具などを用意することが効果的です。体験型サービスの導入では、地域の伝統を用いた体験サービスの導入なども重要です。立地やターゲットに合わせた地域色を出し、ターゲットに合わせた宿づくりを目指しましょう。
2.訪日観光客に対応できる従業員の雇用
近年、民宿は訪日外国人に好まれており、訪日外国人に対応できる従業員の雇用が重要になっています。宿泊体験は口コミに直結するため、英語の話せるアルバイトや、積極的に話をすることのできる外国人を雇用できると心強いでしょう。
3.地域色を出したおもてなしの徹底
民宿はコンセプト・サービスを打ち出しやすいことから、地域色を出したおもてなしによる差別化が有効です。食事に地元特有の新鮮な食材を用いたり、古民家の伝統的な部分は改修せずにそのまま用いたりすることで、地域色を出したおもてなしの徹底を目指しましょう。