■骨とう品店のビジネスモデル
1.仕入販売
骨とう品の仕入れ先は主に、オークションや業者市などです。このような場所で美術価値の高い商品を仕入れ、相場にあった金額をつけて店舗販売します。店舗の内装や展示は仕入れている商品ジャンルのコンセプトにあったものにする必要があります。また、生活用品の中古品を売るリサイクルショップと区別化することもイメージ戦略として大切です。
2.買取販売
顧客からの買取を行うビジネスモデルもあります。所有している骨とう品や美術品を査定し、売却したいというニーズに応えるものです。買い取った品物は、店舗販売やネット販売、業者への販売などを選択できます。
3.ネット販売
実店舗を持つ場合でも、ネットショップの開設は収益を伸ばす上で効果的です。店舗の在庫をリスト化し、ネット上からも検索できるようにしておくなら、全国からの注文を受けられます。ネット上で店舗のキャンペーンやイベント告知も積極的に行うことができます。
■骨とう品店の取り巻く現状
1.リサイクル意識の高まりと骨とう品店の増加
経済産業省「商業統計」によると、平成9年には中古品販売店の商店数は7,942件でしたが、平成14年には11,378件まで増えています。これにはこの時期にリサイクル意識が高まり、中古であっても価値を見出す考え方が一般化してきたことが背景にあります。
2.近年は減少からまた回復傾向に
環境省の経済センサス活動調査によると、骨とう品小売業の年間商品販売額は2007年の822億円から2012年の531億と一時期下降傾向を見せました。しかし、2016年には613億まで回復しています。事業者数も2007年は3213店舗から2012年は1818店舗に下降、2016年は1900店舗まで回復している状態です。
3.営業には古物商許可が必要
骨とう品を含む中古品を販売する場合には、古物商許可の取得が法律により求められています。古物商免許の取得後には帳簿記録の義務や警察協力義務があります。無許可営業には3年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則があるため、必ず法律を遵守した営業を行うようにしましょう。
■おすすめの方
骨とう品店がおすすめの方は、以下の通りです。
・美術品に関する造詣が深い
・骨とう品を集めるのが好き
・特定ジャンルの骨とう品にこだわりがある
上記のような方々は、高い専門性と信頼性が必要な骨とう品店の経営を成功できるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.専門知識により信頼を集める
骨とう品店として成功を収めるためには、オーナー自身が良いコレクターである必要があります。商品の価値を正しく見極める知識は欠かせません。そこで、骨とう品・美術品の情報収集は常に行い、購入を検討する顧客に対しても専門知識が語れるよう供えておく必要があります。
2.骨とう市やアンティークのイベントに出店する
自社店舗での販売の他にも、地域の骨とう市やアンティークのイベントに積極的に参加することができます。そのようなイベントは、流動的な顧客を集め、店舗の認知度を高めるのにも役立ちます。ただし、フリーマケット的なイベントはリサイクル品と混同されがちなため、避けた方が良いでしょう。
3.間借りスタイルの店舗もあり
骨とう品店は高い集客性がある業種ではないため、営業時間を絞って、特定のターゲットに向けた販売をすることも検討できます。例えば、バーやカフェなどの飲食店の一角を間借りしたり、休業時間を骨とう品の販売営業時間にするなどの方法もあります。骨とう品はコンセプト系飲食店と親和性が高いため、双方のメリットになるでしょう。
参考:
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/retail/f012.html
https://www.env.go.jp/recycle/circul/reuse/confs/workshop_24-09/mat03.pdf
https://www.env.go.jp/recycle/H30_reuse_research_report_1.pdf#page5