■インポートウェアショップのビジネスモデル
1.店舗型
ショップオーナーが海外に出向き、自らのセンスでセレクトした商品を店舗販売するビジネスモデルです。
一般的には集客率の高い立地を選んで開店するのが好ましいですが、ショップのコンセプトによってはあえて裏通りなどを選び隠れ家的なイメージを演出することもできます。
店舗型でも、ECショップも併設する、SNSを活用するなどのネット戦略は集客のために重要となります。
2.ECショップ型
ネット上にショップを持ち、販売するビジネスモデルです。楽天やAmazonなどの大型ECモールに出店する方法と、オリジナルのネットショップを立ち上げる方法があります。
ショップの認知度が低い場合は、SEOに強い大型モールを利用すると良いでしょう。一方で既存のプラットフォームの使用は、販売利益から手数料が差し引かれるというデメリットもあります。
■インポートウェアショップの取り巻く現状
1.コロナ禍で海外仕入れへの課題
従来インポートウェアの仕入れ方法は、海外で行われる展示会や現地ブランドへ直接足を運ぶというものでしたが、コロナ禍の渡航制限や展示会の中止等が課題となっています。
販売実績のある商品を再仕入れする、資料やデジタルの画像でセレクトするなどの対応が求められています。
また、仕入れが難しい時期は国内ブランドにシフトチェンジするなどの対応を取っているショップもあります。
2.衣服の輸入浸透率は非常に高い
繊研新聞の調べによると、2020年の衣服の輸入浸透率は97.9%で国産衣料品浸透率は、約2.1%となっています。輸入浸透率は、2010年の96%からさらに上昇し続けている現状です。
以前からアパレル業界では衣類の供給過剰問題が共通課題となっていましたが、企画点数および発注量を減らすアパレルメーカーや小売業が増え、国内生産量はますます減少傾向にあります。
■おすすめの方
インポートウェアショップがおすすめの方は、以下の通りです。
・トレンドに敏感
・外国語ができる
・オリジナルのコンセプトを持っている
上記のような方々は、トレンドとコンセプト性が求められるインポートウェアショップの経営を成功できるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.流行にいち早く乗ること
インポートウェアショップでは、オーナーのセンスがマネタイズの重要な鍵を握ります。ファッション業界の移り変わりは激しいため、常に最新の情報を仕入れ続ける必要があります。
また、海外と国内の流行には時差があるため、海外の最新の流行を理解しつつも、ターゲット層に適したタイミングで自社ショップに取り入れる判断力も必要です。
2.内外装にこだわる
インポートウェアショップは、高いファッション性が求められます。そのため、商品だけでなく店舗の内外装もコンセプトと一致したものでなければなりません。
特にショーウィンドウや店の入り口が魅力的であることは、集客に欠かせない要素となります。オーナー自らが行う他、センスの高いスタッフをディスプレイ担当に設置するなどの気配りが求められるでしょう。
3.細かい関税法に対する理解が必要
海外から衣服を輸入する場合には関税がかかります。関税は素材や生産国、刺繍の有無、使用目的など詳細によって関税率が変わります。
似たようなデザインのものでも、素材などの微妙な違いにより分類が変わる場合があるため、複数の衣服を輸入する場合には品物ごとの分類が必要となります。
税率をしっかり把握しておくことは、利益率の管理にとって不可欠です。また、毛皮やブランド品などに関係する輸入法もあるため、法律を遵守した運営が大切です。