~法人にターゲットを絞ってオンライン研修を展開、定額制で活用を促進~
■どんなモデルか
サブスクリプションによる法人向けeラーニング事業とは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①eラーニングを法人向けの社内研修として提供
eラーニング(e-Learning)は、インターネット経由で動画を用いたセミナーなどの教育を行うサービスです。小中学生向けの学習教材から大学の受験対策、社会人学習などがあります。
このうち法人向け(BtoB)のオンライン教育を提供するビジネスモデルです。企業や行政などの人事部や総務部が導入の窓口になります。
提供するコンテンツは、新人研修、企業内のビジネスマナー、プレゼンテーションスキルの向上、ソフトウェアの習得、セキュリティの基礎知識など。特にITに関する内容が適しています。
②サブスクリプション(定額制)で教育コンテンツを提供
eラーニングの課金システムには、研修ごとに費用がかかるビジネスモデルがありますが、サブスクリプションを採用することによって利用者の活用を促進します。
サブスクリプションは、月額や年額などによる定額課金制のビジネスモデルであり、デジタルコンテンツの分野で急速に拡大しました。
セミナー動画を使ったコンテンツは、セミナー会場や会議室を使って講師を招いた研修のように、その都度コストや集客を必要としません。一度制作すればオンデマンドで何度も活用できるため効率的です。
③講師と利用者ともに場所と時間の制約がないことが特徴
eラーニング事業は、コンテンツを作成してオンデマンドで配信することから、場所と時間の制約がない特徴があります。
コンテンツ制作面ではイニシャルコスト(初期費用)として教材の企画や撮影と編集が必要ですが、ランニングコスト(運用費用)はサーバー費など安価に抑えられます。利用者は時間と場所に関係なく、都合のよい時間に会社や自宅を問わず受講できます。
■業界動向やトレンドについて
新型コロナウィルスの感染拡大と、主に首都圏の外出自粛によって、企業のテレワークが推進されるようになりました。働き方はもちろん、研修の在り方も変化しています。
研修や講座の配信基盤はもちろん、習熟度を最適化する学習管理システム(LMS)が活用され、AIを用いて最適化が行われるようになりました。
■eラーニング事業のビジネスモデルがおすすめの方
eラーニング事業は、以下のような方におすすめです。
・インターネットの映像配信など技術に詳しい方
・コンテンツのプロデュースに関してセンスのある方
・講師とネットワークが形成できる方
使い放題がメリットのサブスクリプションのビジネスモデルでは、幅広くコンテンツを用意することが必要です。企業のニーズを察知し、適切な講師をアサインする能力が求められます。
■成功のポイントは?
最後に、eラーニング事業の成功ポイントを押さえておきます。
①スマートフォンで受講可能にすること
テレワークなどによって自宅のPCを利用して仕事を行うようになりましたが、スマートフォンで受講可能にすることで、活用シーンが拡がります。
②学習管理システム(LMS)を充実させる
受講者の進捗情報や提出物の管理に加えて、講師と利用者あるいは利用者どうしの学習ポータルとして、学習管理システム(LMS)の機能を充実させることが、eラーニング事業の成功のカギのひとつになっています。
③定番コンテンツと試験的なコンテンツ
利用者の受講評価にしたがって、人気のある研修コンテンツは定番化します。一方、企業のニーズを先取りして、試験的なコンテンツを常に追加する工夫が必要です。