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新規事業コラム
2025.02.17

他業界に進出する場合に気を付けるべき落とし穴

新規事業で他業界に進出した際に、思わぬ落とし穴に気づかずに事業をスタートしてしまい、「こんなはずではなかった」と取り返しのつかない事態に陥ってしまうことがあります。逆にそうならないよう、ビジネスモデルの理解(特に既存事業との本質的な違いの理解)が重要になります。ここでは、実際にあった事例を基に、気を付けるべきポイントとその背景を具体的に説明させて頂きます。

1.人件費が構造的に合わない

例えばメーカーから川下の小売に参入するケースなど、大企業が、中小企業が多い業種に参入する場合に注意が必要です。中小企業が多い業種では、どうしても構造的に賃金レベルを下げないと事業として成立しないケースが往々にしてあります。また全員正社員を前提にすると採算が合わず、多くのスタッフをパート・アルバイトとしないといけないケースもあります。

もちろんこうした業種であっても、他社とは異なるビジネスモデルで、正社員でも採算がとれるような工夫をすることで(時には逆にそれを強みにもして)ビジネスを成立しているケースもあります。

いずれにしても、構造的な要因をどう解決するか?(あるいは業界慣習にならってパート・アルバイト等を中心に事業を組み立てるか?)については、事業構想・評価の段階で具体的に検討することが必要になります。仮にパート・アルバイトを中心に組み立てるとした場合は、既存事業でいままで経験していなかったようなペースでの採用活動が必要になり、専門部署が必要になるケースも多くあります。

2.KPIが異なる

例えば在庫についての考え方は、製造業と小売業で大きく異なります。製造業では、トヨタ生産方式に見られるように、基本的には在庫は悪とみなされ、削減の対象となります。多くのメーカーは在庫を少しでも削減できるよう工夫をしています。一方で小売業では、基本的には在庫量が売上高に比例します。特にセールなどの時期に在庫切れを起こすと、業績に致命的な影響を与えるため、店頭在庫を多く、また密度高く陳列することが重要になります。

在庫に関する考え方が根本的に異なると、事業を推進する上で何を重視し、どうコントロールすべきかが変わってきます。本来在庫を多くすべき小売業で、製造業流の在庫削減を行ってしまうと、業績が悪化する可能性があります。

また、ここまで逆ではなくても、追求すべき数字やその優先順位は業種により大きく異なります。先の「1. 人件費が構造的に合わない」とも関連しますが、大量に採用が必要になる業界では採用数がボトルネックになりがちで、逆に採用・定着さえ上手くいけば事業として成立しやすいケースもあります。その場合は、採用数や離職率をKPIとして設定することが求められます。

さらに、業界での知名度の違いから苦戦するケースもあります。特に新規ビジネスにおいては、その業界での知名度が低いケースも多いので、得てして採用や顧客獲得で、既存事業では考えられないような苦戦を強いられるケースがあります。そういったことも想定していないと、事前に設定していたKPIは達成しているのに新規事業自体が失敗してしまう、というケースも想定されます。

以上、見てきたように、他業界に進出する際には、業界や業界内での知名度の違いから、思わぬ落とし穴に直面するケースがあります。事業を開始してから想定していなかった事態に直面することが無いよう、その業界について詳細にリサーチして把握しておくことが大切です。

いかがでしたでしょうか?今回は、他業界進出時の落とし穴について取り上げました。船井総研では、新規事業開発を行う企業様向けに、事業性評価や事業計画策定のご支援をさせて頂いております。貴社にて新規事業を検討されるにあたって、もしお困りごとや行き詰まりなどございましたら、ご相談だけでもぜひ一度お問い合わせ頂ければ、弊社コンサルタントが対応させて頂きます。


執筆: B-search

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