どのようなサービスか
通所介護は「デイサービス」とも呼ばれますが、認知症対応型通所介護(認知デイサービス)を中心に解説します。
1.認知症対応型通所介護とは
認知症対応型通所介護では、認知症の要介護者1~5の利用者を対象に、老人介護施設などに入居しなくても可能な限り自宅で生活できるように、施設に通って心身の機能回復などを目的としたサービスを提供します。
利用者の自宅から施設までの送迎を行い、施設を使って食事や入浴など生活の支援や、歩行や口腔など身体機能を回復させるための訓練を行います。レクリエーションを行う場合もあります。
一般的なデイサービスも同様の訓練を行いますが、認知症対応型通所介護は、利用者それぞれの介護度にしたがって、きめ細かなサービスを行うことが特長です。
認知症対応型通所介護のメリットは、少人数体制によって認知症を理解したスタッフによるサービスを提供することにあります。開業にあたって人材を採用するときは、認知症の利用者の介護に関する経験が豊富であり、それぞれの利用者に合わせて柔軟に対応できるスタッフを配備することが重要です。
2.認知症対応型通所介護の3つのタイプ
認知症対応型通所介護には、単独型、併設型、共用型の3つのタイプがあります。
単独型は、医院や特別養護老人ホームなどに併設されていない施設です。個人の自宅を改修してサービスを行っている場合もあります。
併設型は、特別養護老人ホームや医療施設に併設されている施設です。
共用型は、域密着型老人福祉施設などにある食堂や居間を使ってサービスを行い、外部からの利用者は入居者と一緒にサービスを受けることになります。
3.認知症対応型通所介護の申請
通所介護のサービスを開業する場合、各都道府県や市区町村の介護保険担当部署にて認可の申請を行う必要があります。詳しい基準や提出書類は自治体で異なるため、確認が必要です。
業界動向やトレンドについて
通所介護サービス全体の動向として、多くの事業所が開設されたために飽和状態が生じ、新たな開業の伸びが頭打ちになっている状況です。特に認知症対応型のデイサービスの事業所は、減少傾向にあります。他の介護サービスで認知症の予防や対策に取り組むようになったからです。
さらに新型コロナウイルスの影響もあって介護業界全体で在宅ケアの需要が高まっていることから、通所系より訪問系のサービスが注目されるようになりました。
今後、認知症対応型のデイサービスを開業する場合には、事業所数が減少傾向にあること、利用者として通所から訪問にニーズが移り変わっている動向を踏まえて、事業化の検討が必要です。
認知症対応型通所介護の開業がおすすめの方
認知症対応型通所介護の開業は、単独型より特別養護老人ホームや医療機関どの施設に併設するケースがおすすめです。単独型の認知症対応型通所介護の開業は、今後は厳しい状況にあるといえるでしょう。
成功のポイントは?
認知症対応型通所介護のサービスを併設型で展開する場合には、他のサービスも含めて提供しているサービスの全体戦略を考えることが重要なポイントです。介護保険サービスと非介護保険サービスを組み合わせた混合サービスを展開する施設が増えています。要介護度の進展や利用者のニーズに合わせた展開が必要になります。
一方で、絵画を使ったコミュニケーションによって認知症を予防したり、認知症の進展を防いだりするサービスもあります。施設が提供する認知症対応型通所介護のサービスの独自性や差別化を考慮することも大切です。
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