■コーヒー豆の販売事業のビジネスモデル
1.店舗販売
コーヒー豆を個人輸入し、店舗で販売するビジネスモデルです。現在国内シェアのコーヒー豆のほとんどは業者が海外輸入しているものです。輸入はオーナー自ら現地に出向き、商品を選定した上で輸入を行う場合もあれば、輸入商社から買い付ける方法もあります。
2.ネット販売
輸入したコーヒー豆をネット上のショップで販売するビジネスモデルです。BASEやSTORES.jpなどのプラットフォームを利用して、簡単にネットショップを立ち上げることができます。店舗がある場合でも、ネット販売を同時に行うことには多くのメリットがあります。実店舗は小規模でも、ネット販売を行うことによって全国的に有名なコーヒーショップになる場合もあるでしょう。
3.カフェ経営スタイル
店舗内にカフェも併設し、コーヒー豆販売と同時営業するビジネスモデルもあります。販売しているコーヒー豆を使ったコーヒーをカフェで提供することにより、試飲を兼ねられ、売上の向上につなげることができます。
■コーヒー豆の販売事業の取り巻く現状
1.ECサイト販売店が急増
コロナ禍の影響で家で高品質なコーヒーを楽しみたいと考える人が増えたことを背景に、コーヒー豆のネット販売市場は拡大し続けています。元々レストランやカフェなどに卸していた業者もコロナ禍による飲食店業界の低迷に伴い、ECショップへの進出を行なっているところが多いです。
2.輸入には各種届出が必要
コーヒー豆には生豆と焙煎豆がありますが、それぞれ輸入の際に必要とする手続きがあります。必要な届出には次のものがあります。
・食品等輸入届申請(厚労省)
・植物検疫検査(農林水産省)
・輸入通関申告(税関)
これらの届出はオーナー自身が行うこともできれば、代行会社を利用することも可能です。
3.国内コーヒー豆の大半は業者が輸入
国内のコーヒー豆の9割以上は、生豆として飲料メーカーや焙煎業者などが輸入しているものです。日経テレコンによると、2020年のコーヒー豆の輸入量(生豆換算)は前年比8.9%減の43万9279トン。国別の輸入量は、首位がブラジルで11万6,816トン、2位はベトナムで10万311トン。3位はコロンビアとなっており、上位3カ国で輸入量全体の約7割のシェアを占めています。スペシャルティコーヒーやフェアトレードによる流通の活性化もあり、生産地支援の動きが強まっています。
■おすすめの方
コーヒー豆の販売事業がおすすめの方は、以下の通りです。
・コーヒーの知識がある
・こだわりの輸入元がある
・バリスタの資格を持っている
上記のような方々は、知識共有のサービスが求められるコーヒー豆の販売事業の経営を成功できるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.コーヒ豆の専門知識を生かした経営をする
コーヒー豆の販売は比較的単純なもので、商品とわずかな店舗スペースがあれば簡単に始められます。しかし商品に付加価値を加えるためには、顧客とのコミュニケーションも重要なポイントとなります。オーナー自らがバリスタである場合には、バリスタとしての知識や技術を磨き顧客に共有することが販売につながります。コーヒー豆販売店の中には、YouTubeでコーヒー豆やコーヒーの淹れ方などの知識を積極的に発信し、売上につなげることに成功した例もあります。
2.コーヒ関連用品の販売でも収益を得る
コーヒーは関連用品の販売拡大のニーズも大きく、コーヒー豆以外の商品からも収益を得ることが可能です。関連用品の販売により、自宅でもこだわりの器具を使ってコーヒーを楽しみたいという顧客のニーズに答えることができます。全自動マシーンなど、器具によっては単価が高いものもあり、高い利益率を期待できるでしょう。