■どんなモデルか
一食ですべての栄養素が摂れる完全食の宅配弁当とは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①完全食は人工的
完全食とは「人間が健康を維持するために必要な栄養素すべてを過不足なく含んだ食物」のことです。
「人間が健康を維持するために必要な栄養素」とは『必須アミノ酸』『必須脂肪酸』『ビタミン』『ミネラル』『食物繊維』の5つです。
完全食は、残念ながら自然界には存在しません。
したがって、人工的な食物ということになります。
②人間用のドッグフード
完全食は、見た目と味を度外視して作られている点で、ドッグフードに似ています。
その形状は、粉末タイプのドリンクやシリアルバーが主流です。
ところが近年、パスタなどの麺類やパンに加工された完全食が登場し、これらをお弁当として宅配するビジネスが生まれました。
③ストイックな層にアピール
味気に乏しい完全食ですが、もとより「フィットネス通いが日課で、自宅ではダイエットフードだけ」といったストイックな層には歓迎されています。
■業界動向やトレンドについて
暗雲立ち込める低成長時代の「おびえ」に救済をもたらすのは、健康への信仰です。
食品最大手の日清食品は完全食にいち早く全乗りし、『おいしい完全食』の提供を新成長戦略の柱に掲げています。
これからの急速な発展が期待される業界です。
■完全食の宅配弁当がおすすめの方
完全食の宅配弁当のビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・カレーチェーンを経営されている方
カレーは古くより、完全食に近い『準完全食』として知られてきました。しかも非常においしい。ライスをブロッコリーに替えるなど、さらに完全食に近づけてお弁当にすれば、よろこばれること間違いなしです。
なお、「必要な栄養素が過不足なく含まれる」完全食に対し、「必要な栄養素に(少しだけ)過不足はあるが美味しい」食物を『準完全食』とよびます。
・健康食品会社を経営されている方
健康食品のカロリーメイトは、1983年に発売され、受験勉強や働くために必要な栄養素を短時間で摂取できることから、国民的な人気食品となりました。
カロリーメイトはあくまで「栄養補助食品」ですが、その進化版である完全食は、未知の可能性を秘めています。
・宅配弁当店を経営されている方
宅配弁当の既存のラインナップに、完全食のパスタなどの麺類を加えるだけですから、参入は容易です。
参入後はベターザン、ベターザンで、メニューを改善していきましょう。
■成功のポイントは?
完全食の宅配弁当のビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①テクノロジー
味気ない完全食をおいしく調理するには、テクノロジーとノウハウが’必要です。日清食品は「おいしい完全食」をつくるために必要なテクノロジーとして、『減塩』『油分カット』『カロリーカット』『苦味コーティング』『栄養素流出防止』の5つを挙げています。
②パーソナライズ
犬にとっての完全食と、ヒトにとっての完全食は異なります。
同様に、同じヒト用の完全食であっても、それが完全といえるかは個人差があります。
日清食品はすでに、パーソナライズされた完全食を提供するためのデータ蓄積とAI開発に着手しています。
③規模の経済
宅配の利用者が多ければ、規模の経済により個々の利用者に、よりきめ細かなサービスが提供できます。
①と②もそうなのですが、「完全食=人工食」は日清食品のような大手向きの分野です。あえて向こうをはるか、「不完全食=自然食」の分野で戦うかは、思案のしどころです。
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