■司法書士事務所のビジネスモデル
司法書士には、企業勤務と独立・開業の2つの勤務形態があります。
開業する場合には、簡単な事務所の設置だけで司法書士会への入会ができるので、開業自体は簡単です。
しかし、継続的に経営していくためには営業活動が欠かせません。
登記や書類作成等の業務を担当し、その費用を請求する形で収益化するのが司法書士事務所のビジネスモデルです。
また、業務が発生する前段階のカウンセリングやコンサルティングを担当することで、司法書士の本業業務の受注へつなげる営業手法をとる場合もあります。
■司法書士事務所の取り巻く現状
1.司法書士の年収はそれほど高くない
平成30年の日本司法書士会連合会の「司法書士実態調査」の結果では、司法書士の平均年収は約681万円です。
司法書士には企業勤務と独立・開業の勤務形態がありますが、企業勤務の場合は平均年収が250〜400万円と言われています。
独立した場合には、その地域や集客状況によって年収が異なります。
司法書士は専門知識が必要とされる職種である割には、年収はあまり高くないのが実態です。
2.隣接士業との競合が起こりやすい
司法書士の業務は、隣接士業である弁護士や行政書士との競合が起こりやすいという側面があります。
近年新司法試験の開始により、旧司法試験では数パーセントだった合格率は20パーセント以上に上昇し、弁護士会登録者数も飛躍的に増加するという変化がありました。
弁護士の数は、2008年からの10年間で約25000人から約40000人へと60パーセントも増加しており、競合が増えた結果司法書士の業務範囲まで業務を拡大しているケースも少なくありません。
行政書士も同様で、数の増加に伴い隣接士業同士の競合が起きています。
3.IT技術の進化に注目が必要
平成17年に改正不動産登記法の施行が始まり、法務局へ申請する登記書類のオンライン化が適応されるようになりました。
これにより、法務局への出頭が必要でなくなったことは司法書士の業務に影響を与えています。
また、会社設立に関する書類作成のソフトの普及、AIやブロックチェーンの活用などにより司法書士の仕事が減っていくことが懸念されています。
IT技術に対抗するためには、コンサルティングなどの付加的ビジネスを拡大していくことが必要になると考えられます。
■おすすめの方
司法書士事務所がおすすめの方は、以下の通りです。
・営業力がある
・コンサルティングも得意
・コミュニケーション能力が高い
上記のような方々は、高い専門性と信頼性が必要な骨とう品店の経営を成功できるため、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.高齢化・国際化のニーズに注目
高齢化が進んでいる現代では、相続や成年後見に関する案件のニーズが大きいです。
例えば遺産相続に関係して相続登記のための書類は司法書士が作成する必要があります。
また、国際化が進んでいる日本では今後も多くの外国人が移住してくると予想されます。
帰化申請に必要な書類も司法書士が作成するものです。
このように、ニーズがあると思われる分野の業務を積極的に開拓していくことで、安定したビジネスチャンスを得られるでしょう。
2.人脈を作る
司法書士の仕事は競合相手が多いため、積極的に新規顧客を開拓していく営業活動が必要とされます。
そこで、人脈を作ることは、スムーズな営業活動にとって助けとなります。例えば、経験豊富な同業者の人脈があると、業界の情報や動向を教えてもらいやすくなります。
また、不動産業者との人脈により不動産売買の際の移転登記業務を紹介してもらうなど、関連業界の人脈が仕事につながる場合もあるでしょう。
参考:
https://www.nichibenren.or.jp/document/statistics/fundamental_statistics2020.html
https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2019/12/dc126f7cffa47b96f0b38e8fcf2a83fe.pdf