■再生資源回収業のビジネスモデル
1.回収専門ビジネス
一般顧客から不要品の回収を行い、買取業者へ販売することで収益を出すビジネスモデルです。
対一般顧客の金銭取引は回収物の内容によって様々で、無料回収もあれば、有料回収、逆に買取りを行う場合もあります。
顧客とのトラブルを避けるため、料金体系を明確にしておくことは不可欠です。
2.リサイクルショップビジネス
自ら店舗を持ち、回収した不用品を販売するビジネスモデルです。
家電や家具などの生活用品を対象とする場合が多いでしょう。
買取業者との交渉が不要で直接販売できるメリットがある一方、保管倉庫や店舗の設備コストがかかるのは検討すべき点です。
■再生資源回収業の取り巻く現状
1.市場規模は拡大傾向にある
再生資源回収業の市場規模は拡大傾向にあります。
環境省「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書(2016年版)」によると、2016年には環境産業の売り上げが約104.2兆円と過去最大となりました。
中でも「廃棄物処理・リサイクル設備」や「廃棄物処理・資源有効利用分野」は伸びている業種であるとされています。
2.関連法案の理解が必要
再生資源回収業を営むためには、事業者としての許可を取得する必要があります。
再生資源回収に関する関連法案は、「廃棄物処理法」、「家電リサイクル法」、「小型家電リサイクル法」など様々なものがあり、それぞれをしっかりと理解しておく必要があります。
理解が曖昧なまま営業を行なった結果、営業停止処分が下されるという例もあり、事前の注意が必要です。
不明な点は地域の企業支援センターに問い合わせるなど、明確にした上で運営を続けるようにしましょう。
3.個人の意識の変化
メルカリなどのフリマアプリの誕生によって、ものを捨てるのではなく売るという概念が定着しつつある。
一方で、自分で売価を決めて個人間で売買することで、再生資源回収業者に流れる資源の数は減っていく可能性も否定できない。
このような、人々の意識の変化に対して再生資源回収業者がどのように対応するかが今後のポイントになるだろう。
■おすすめの方
再生資源回収業がおすすめの方は、以下の通りです。
・環境保護に関心がある
・自治体と連携できる
・特定の資源価値に対して見識がある
上記のような方々は、正しい知識と理解に基づいた運営が求められる再生資源回収業に向いており、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.仲介ビジネスに注目
多くの企業や個人で、「この不用品をどのように処理したらいいのかわからない」という困り事が生じています。
そこで、廃棄業者とのマッチングを容易にするサービスは大いにニーズのある分野と言えます。
新しい流れとして、ITを使用したマッチングサービスの構築などはこれから注目できるビジネスモデルでしょう。
2.流通ルートの確保
再生資源回収業を安定したものにするためには、回収ルートと販売ルートが安定している必要があります。
定期的に不用品を排出する個人もしくは法人と契約を結べるなら、安定したビジネスを行えるでしょう。
また、販売先の資源再生業者も違法性のない適正な契約を結ぶためには、各法令の理解と遵守が必要です。
3.再生利用価値の高い資源の回収
回収資源の中でも再生利用価値の高いものに特化するなら、高い収益性を上げることができます。
例えば、近年注目されている資源が「レアメタル」です。
レアメタルは、自動車、パソコン、携帯電話などに使われていますが、それを抽出してリサイクルすることが技術者の旬の研究テーマとなっています。
レアメタルの一種である白金は地金にすると1グラムあたり約5000円の価値になることもあり、高級資源です。
このような高級資源に特化した回収は、利益率の高いビジネスモデルのチャンスとなります。
参考:https://www.jri.co.jp/company/publicity/2004/detail/0206/
https://www.jnews.com/business/digest/2008/028.html
http://www.env.go.jp/press/files/jp/109313.pdf