■古紙回収業のビジネスモデル
1.古新聞・古雑誌の回収
古紙回収業で最も多いのが、古新聞・古雑誌の回収です。
家庭から出される不要になった新聞や雑誌を回収する業者は古くから存在しています。
一般家庭から出る古紙の量には限りがありますが、店舗やオフィス、企業などと契約を結ぶことで安定した回収が可能となります。
また、古紙回収では綺麗な古紙を回収することが利益率をあげる上では重要です。
2.段ボールの回収
段ボールは再生利用価値が高く、古紙回収業の中でも収益率の高いビジネスモデルです。
多くの業者は無料で段ボール回収を行い、製紙メーカーに販売することで利益を得ています。
一方で、段ボールは製紙会社に販売することで利益を確保しているので、製紙会社の対応次第では、段ボール回収による利益が減ってしまう可能性もあり、比較的製紙会社への依存度が高いビジネスモデルになります。
■古紙回収業の取り巻く現状
1.海外ニーズが高まっている
現在、中国を中心としたアジア地域おいて日本の古紙への需要が高まっています。
2020年の古紙輸出は前年比1.5万トンの318万トンを記録しています。
2000年以前は、国内で回収された古紙はほぼ国内で再生利用されていましたが、2000年ごろから中国や東南アジア地域で製紙産業が盛んとなり、国内で賄えない古紙を他国から輸入する動きが高まりました。
現在では古紙回収業において、海外も主要な販売先ルートとなっています。
2.日本は世界トップクラスの回収率
日本は世界でトップクラスの古紙回収率を誇る国です。
日本製紙連合会によると、2020年の紙・板紙合計の古紙利用率は67.2%、回収率は84.9%となっています。
背景としては、古紙の回収システムが古くから整備されてきたことが挙げられます。
また、現在では環境ビジネスとし地方自治体やNPO、企業と関係を深め、リサイクル業としての立場を確立しているのも特徴です。
■おすすめの方
古紙回収業がおすすめの方は、以下の通りです。
・環境問題に関心がある
・ゴミの分別をまめに行う
・先見の明がある
上記のような方々は、不用品とされる資源から価値を見出しビジネスへ変えることができる古紙回収業が向いており、おすすめのビジネスモデルです。
■成功のポイント
1.取引単価の高い資源を狙う
古紙回収業の中でも、取引単価の高い資源を狙うなら高い収益率が期待できます。
例えば「上白」という種別で回収されている古紙は、菓子類や雑貨などの外箱パッケージに利用できるため1キロあたり42〜46円と高値の取引が行われています。
古紙に限らず、再生資源ビジネスでは、再生価値の高い不用品を無料で回収するルートを確立・独占することがビジネスモデル成功の鍵となります。
すでに高値で取引されているものはもちろん、新たな利用価値のある資源を見つけることも成功のポイントとなるでしょう。
2.回収ルートを確立する
回収した古紙の取引相場や販売ルートは市場としてある程度確立しているため、それほど難しくありません。
一方、回収ルートを確立することが、古紙回収業のビジネス成功への大きなポイントとなります。
家庭から出る古紙の量には限りがあり、安定した回収先としては難しい面もあるでしょう。
そこで、定期的に古紙の排出がある企業と複数契約をし、回収ルートを確立するなら、安定した収益を得ることができます。
3.海外ルートを確立する
販売ルートを国内に限らず、海外まで広げるならビジネスチャンスを大きなものにすることができます。
人脈がなければ販路拡大の難しい海外ルートですが、JETROなどの企業マッチングサービスを利用し海外取引企業を見つけるのも1つの方法です。
参考:https://www.jnews.com/profit/2004/022.html
https://www.jpa.gr.jp/states/used-paper/
http://www.prpc.or.jp/document/