~広告のほか不動産業界や製造業界向けに、さまざまな用途のCGを受託制作~
■どんなモデルか
産業向け2DCG/3DCGクリエイターは、どのようなビジネスモデルでしょうか。
①BtoBの産業領域でCGを受託制作
産業向け2DCG/3DCGクリエイターは、企業の動画やインタラクティブコンテンツ、プレゼンテーション、広告などのCGを提供する受託制作のビジネスモデルです。
CGには、平面的な2DCGと、立体的な3DCGがあります。コンシューマー向けのCGは映画やアニメなどエンターテイメント分野が中心ですが、産業向け2DCG/3DCGは企業の販売促進やイメージづくりに使われます。
企業のCMやYouTube動画、駅や街頭のデジタルサイネージ広告、雑誌や新聞の広告に掲載するCG制作のほか、専門的な分野にも展開可能です。
②不動産業界ではCADを使ってCGを提供、AR/VRと連動
不動産業界向けには、建物のパースをCADなどのソフトウェアを使って2DCG/3DCGで制作します。実寸で完成図のCGを写真と合成して描画することで、平面的な設計図より訴求力のあるプレゼンテーションを実現します。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)と連動させ、ゴーグルを装着して歩き回りながら体験できるコンテンツも活用されています。
③製造業のプロトタイプ、モックアップ制作
製造業向けとしては、研究開発段階の製品のプロトタイプ、モックアップ(模型)に特化したCG制作があります。完成後は、2DCG/3DCGを使ったプロモーション動画、動画マニュアルなどに使うことができます。
■業界動向やトレンドについて
映画やYouTube動画はもちろん、あらゆるメディアでCGが使われるようになりました。
「バーチャルヒューマン」という、実在しないタレントや芸能モデルを創造してキャスティングを行う会社も生まれました。AIで会話可能のモデルも登場しています。
産業分野においても、CGを使ってプロダクトやサービスを可視化する動向がめざましく進展しています。イメージづくりだけではなく、工場で装置の操作説明を行う動画マニュアルなどにCGを活用する需要が見込めます。
■産業向け2DCG/3DCGクリエイターがおすすめの方
産業向け2DCG/3DCGクリエイターのビジネスモデルがおすすめの方は、以下の通りです。
・美術大学やCG系専門学校を卒業した方
・2DCG/3DCG、CADなどの実務経験がある方
・ゲーム業界や広告業界でコンテンツ制作に携わっていた方
グラフィックデザインや動画など、CGを活用するメディアの理解が求められます。
■成功のポイントは?
産業向け2DCG/3DCGクリエイターのビジネスモデルの成功ポイントを押さえておきます。
①自主制作でポートフォリオを拡充させる
2DCG/3DCGクリエイターが新規の受託を獲得するには、実績の提示が何よりも重要です。受託制作の実績が少ない時期には、積極的に自主制作を行い、サンプルやプロトタイプのポートフォリオを提示できるようにします。
②適切な価格の設定
クリエイティブ業務では、制作単価の設定がポイントです。クラウドソーシングで受託するような案件は安価になりますが、実績を積み重ねるためには、あえて価格を抑えて受託を増やす判断が必要といえるでしょう。
③人脈と著作権の管理
2DCG/3DCGクリエイターは、プランナーやシナリオライターなどと連携して制作します。受託制作として信頼を得るために、スキルの高いクリエイターと人脈を築いておくことが大切です。成果物の著作権についても理解しておくとトラブルを回避できます。